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アレチウリを駆除し多様な生き物がすむ猪名川に!

飲み水の水源で山から海までの連続した生物の生息空間である猪名川は外来植物率全国2位であり、河原特有の植物は減少しています。流域全体に広がる特定外来植物アレチウリ対策をし、「多様な生物がすむ川づくり」に取り組んでいます。

①川に関心をもつ人を増やしネットワークづくり
かつてはアユ釣りで賑わっていた猪名川ですが、川から人は離れ、ゴミが散乱し荒れた川になっていました。2005年、「多様な生きものがすむ猪名川」にと「流域ネット猪名川」を設立しました。
ネットワークづくりをしながら流域全体にクリーン作戦を広げようと活動を開始し、誰もが参加しやすい運営方法を試行しながら2ヶ所で始めたゴミ拾いは、現在では源流から大阪湾まで1町4市25ケ所で住民・企業・自治体・河川管理者の協力を得て約50団体で取り組んでいます。

②特定外来植物アレチウリ駆除活動
活動を続ける中で「猪名川は外来植物が多くかつては普通にみられた河原特有の植物が減り、それを食草とする昆虫がいなくなっている」ことを知り、2010年よりアレチウリ駆除に取り組んでいます。生物多様性や外来生物法の勉強会を開き住民に発信し、またアレチウリの駆除体験をまとめた「猪名川の外来植物対策ハンドブック」を作成しました。さらに川で活動する団体・環境学習団体などにも働きかけ、猪名川河川事務所・流域の企業ダイハツ工業㈱と連携して外来種駆除作業・啓発などを協働で実施しています。河川敷を利用しているスポーツ団体にも年1回のボランティアを呼びかけています。

③在来種の保全活動
アレチウリを駆除した後には他の外来植物や一面を覆うクズなどツル性の在来種が増え、多様性に繋がらないことがわかりました。陽当たりが良くなり芽生えた在来種の周囲の草刈りなどを行い群落として育てる試みを取りいれたところ、群落の周辺には在来種が互生し外来種が生えにくく昆虫が増えてきました。外来種駆除と在来種保全活動を並行して年間100日近く活動しています。

④次世代の育成
「多様な生きものがすむ川」にと試行を重ねながら、川と暮らしの繋がり・多様な生きものがすむ自然の大切さ・川で遊ぶ楽しさなどを伝えるため毎年中学生の体験学習を受け入れ、生物観察会などを通して外来魚問題にも取り組んでいます。

更新日:2019.12.26  ※記事の内容は投稿当時のものです