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渡良瀬遊水地生物多様性保全活動

渡良瀬遊水地は、平成27年9月の関東東北豪雨で治水の重要地としての役目を担いましたが、同時に外来魚が拡散され、在来魚を脅かす事態となりました。そこで体験学習と駆除をかねた、楽しい生物多様性保全(魚類)を開始しました。

2010年3月に国土交通省利根川上流河川事務所が策定した「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」から、第2調節池の造成工事が始まりました。翌年、「わたらせ未来基金」は低層湿原の環境保全と生物多様性の向上のため、主に外来植物の除去活動を始めるとともに、モニタリングも行なってきました。

2015年9月の豪雨から地域の人命と財産を守った渡良瀬遊水地は、一面の湖と化しました。第2調節池は、2016年のモニタリングで、池の中の外来生物が増加傾向にあることがわかりました。そこで従来の外来植物除去作戦に加え、外来生物の駆除を考え、2017年7月、夏休みを利用して第1回「アメリカザリガニ釣り大会」を開催しました。竿は遊水地産のヨシを利用しました。ところが捕獲されたザリガニは思いのほか少なく、餌として捕食されていることも考えられました。四手網による調査では、オオクチバス、ブルーギルが多いことがわかりました。

2018年からは趣向を変え、タモ網によるガサガサ捕獲「生きもの見っけ大作戦」を実施しています。そして2019年8月18日には、第3回目(通算)を開催しました。また、ラムサール条約や生物多様性条約の理念の1つCEPAに則り、自然観察、体験学習、保全活動の一環として、外来生物の駆除を兼ねて、親しむ・知る・保全活動の和をつくるべく楽しい生物多様性保全(魚類)を始めました。親子、友人などでチームを組み、事前申し込み制で応募(3年目)していただきます。イベント名は「生きもの見っけ大作戦」。参加チームにはタモ網を1チーム1本(参加賞)渡し、決められた時間で水の中の生きものを捕獲します。あらかじめ種により点数がつけられ(在来魚は点数が高い)、合計点で大賞を目指す競技です。結果発表と講評をし、大賞と特別賞には、環境にやさしい無農薬無化学肥料「ラムサール冬みず田んぼ米」がプレゼントされます。在来魚は再放流され、外来魚は隔離して駆除されます。

更新日:2019.12.26  ※記事の内容は投稿当時のものです