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障害者と共に育む食用薔薇

障害福祉施設にて障害者と共に、食用薔薇などを化学肥料や農薬を使用せず栽培しています。農業における環境保護をテーマに、生物多様性を高める栽培を実践し、障害者と環境も含めた共生社会の実現に取り組んでいます。

主に一般就労が困難な障害をもつ利用者と共に、食用の薔薇やハーブを化学肥料や農薬を使用せず、より自然な形で栽培しています。薔薇は病害虫に弱く、農薬を使用せず栽培する事は難しいと言われています。しかし、植物自らが生命の維持をするために害虫の「天敵」を呼び込む力に着目し、蜘蛛やカエル、鳥などさまざまな生きものの食物連鎖を活用した防虫対策を講じています。その根源には、ただ生きものの力を活用するだけではなく、生きものたちが住みやすい環境を整え、生物多様性を保つことに他なりません。

また、別の病害虫対策として、単植栽培ではなく、バラを病害虫から守ってくれるハーブや、虫の蜜源となる四季それぞれに咲く花々、雑草と呼ばれる草も取り入れ混植栽培を行っています。多様な植物を混植することで微生物の生態系バランスも整え、植物本来の力を発揮できる土作りを心掛けています。その他にも、地元の農家から廃棄されるピートモスやもみ殻、施設で廃棄される茶殻を土壌改良の素材として再活用しています。

戦後、農薬や化学肥料を使うアメリカ式農法を続けてきた結果、水質汚染や生態系が破壊され、人体にはアレルギーやガン、先天性障害など様々な悪影響を及ぼしていると言われています。この栽培技術を既存の慣行栽培へ応用する事により、人や環境に優しい農業へと変換させる事が可能になると考えています。未来の子供たちが、安心して暮らしていける環境や食生活の実現を目指しています。

そして、生物多様性を保全し共生していくことは、社会福祉が目指す共生社会の実現と共通しています。SDGsを達成するために、環境問題に配慮した持続可能な農業を展開し、障害の有無に関わらず働くことで、自らの人生を築くことのできる社会の実現を目指しています。

更新日:2019.12.26  ※記事の内容は投稿当時のものです