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(日本語) OKUTAこめまめプロジェクト

地域の有機農家が作るお米を企業が提携三原則(全量買取・即金・再生産可能価格)で買い、希望する社員に社員価格で販売する仕組みを構築。地域の環境を守る、という関わる全てが幸せになる日本発の企業CSAの試みです。


日本の原風景ともいえる「有機の里・下里」の美しい田園風景

下里1区集落は周囲を山に囲まれた中山間地で、過疎化や高齢化が進んでいました。村の将来を心配した機械化組合長は、同じ集落に住む有機農家に教えを請い、慣行農業から有機農業に転換する事を決意。しかし、リーマンショックの影響で米の販路がないことが課題でした。そのような時にたまたま、見学に訪れた埼玉県内の住宅リフォーム会社社長が販路がないお米の全量を買い取ることを申し出ました。農家と企業の橋渡しとして地域のNPO(理事長)がマネージメントコーディネーターとして双方の課題解決などの調整を行い、2009年3月から提携三原則による「OKUTAこめまめプロジェクト」が開始。毎月、社員宅に有機米が届けられています。

農家と企業、それを繋ぐ地域のNPOが協力し合い、今年で10年目を迎えました。安全な食は安全な空気・水・土から生まれ、安全な環境が生物多様性の地域を生み出し、持続する未来の価値観を生み出していく。このような共通認識をもった上で、社員が有機米の田植え・稲刈りを体験し、双方の立場を理解し合う、顔の見える信頼関係を醸成しています。そして企業の新人社員研修として定着。美味しいお米には栄養豊富(天から降ってきた雨が山の落ち葉を通ってその栄養分を含んでいる状態)な水が必須な事から、里山保全活動グループ(地域のボランティアグループ)と協同し社員参加の里山保全活動を年3回実施。それを元に里山保全グループと「下里里山100年ビジョン」を策定し、持続可能な未来の価値観を共有しました。自分たちの活動を地域の人たちに理解してもらうため「下里あった会議」という環境講演会も開催し継続中。また、後継者育成の為に「下里あったか塾」を開講し、地域資源活用のための人材を生み出しています。2014年より、地域と都市の交流を目指して「OgawaOrganicfes」を開催し、美しい田園風景と共にこの環境から生まれるお米の価値を感じてもらい、購入促進を図っています。年々、里は美しくなり、生きとし生けるものが生命輝く里になっています。


顔と顔の見える信頼関係を築く社員研修の稲刈り体験

更新日:2018.12.26  ※記事の内容は投稿当時のものです