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(日本語) アウトフィールド書道

筆や紙など書の用具は里山からの贈り物。里山で森林再生作業を実施後、現場で感想を一文字の毛筆作品として書くアウトフィールド書道。
里山文化と環境問題を地元の人と考え、書で表現しフォーラム等で伝える活動です。

間伐作業後、大きな紙に毛筆一文字を体を使い書くと爽快です。

日本の伝統文化書道は里山と密接にかかわっています。筆や紙、硯、墨などの用具は里山からの贈り物。自然が生みだす多様性の恵みです。書の源流である里山でボランティア作業をしながら里山文化と環境問題を考え、書で表現し伝える力を養う事を目的に、“芸術書道”の新しい可能性を追求しつつ伝承する取り組みとして、「アウトフィールド書道」を2014年から継続しています。

内容は第一に、東日本大震災被災地の南三陸町復興支援活動として、静岡県掛川市や茨城県つくば市で津波除けの森作りに役立てる苗木作りやそれに活用する粉炭作り、生活域の水がめとなる全国植樹祭発祥地の筑波山麓や高尾山で森林再生の為の間伐作業、道普請、植樹などをNPOや地元の方と協働で作業をしています。
作業後現場で、活動と環境との関わりを丁寧に思考し、作業の感想など一文字の大字書を毛筆で書いています。参加者は教室生徒の他、地元の園児から大人まで、時には外国人もいます。
粉炭で真っ黒の顔や汗だくの体で握る筆からは、「育」「望」「感」など感性溢れる言葉が飛び出し、個性豊かな表現に、毎度歓声が上がります。
第二に、作業の前後に林学の宮林茂幸教授や南三陸森林組合、里山文化の専門家に講義を受ける勉強会を開催しています。森と海の繋がりや多様な生物から受けている恩恵を学び、環境問題に対する解決能力を育む事を目指しています。
第三に、2015年より毎年、国土緑化推進機構主催の環境フォーラムで、子どもの生徒による毛筆作品と意見発表をしています。「私がお母さんになったら、森が海に繋がっている事を伝えたい」「森が津波の勢いを抑え、人や家も守るとわかった」「森は心のベッドだ。川の流れ鳥の声、様々な音が聞こえ安心で心地良いからだ」「無駄なく循環させる日本文化をもっと学びたい」などと、里山文化の暮らしの知恵から、私たちの未来について考え学び伝える活動へと広がりをみせています。

今年3月の環境フォーラムで書作品や意見を発表しました。

更新日:2018.12.27  ※記事の内容は投稿当時のものです