まもろう
野生動物交通事故調査活動
富士山アウトドアミュージアム(山梨県南都留郡)
https://www.facebook.com/fom3776/
富士山麓付近でおこった野生動物の交通事故(ロードキル)のデータを集め、可視化することで、動物のロードキルを減らす糸口を見つける取り組みです。
林道や国道、生活道路が縦横に通っている富士山麓での野生動物のロードキルは、以前から問題だと指摘されていますが、その実態を明らかにする情報は非常に乏しいのが現状です。ロードキルは野生動物の直接的な被害はもちろんのこと、道路を通行する住民や観光客にとっても危険です。特に野生動物が飛び出すことによって起こる副次的な交通事故も多数発生しています。実際、富士山が世界文化遺産に登録されて以降、レンタカーも含め交通量が以前に比べ非常に増加しています。
調査ではまず、GPSを使ってロードキル現場の位置を確認します。次に、道路や個体被害状況を撮影し、個体の体長・体高・性別等の計測、発見時間・天候等を記録しています。交通量の違う平日と週末の比較や、動物生態学的見地からの発生場所の特徴、また季節的要因による被害動物種及び発生場所の変化を分析するための情報収集をすることで、ロードキルが起こる地理的・季節的要因を明らかにできます。
いずれは、これらのデータベースを基にして、ITC分野(カーナビ等)や先進技術からのアプローチを提案するために、日本の象徴である富士山でパイロット的に活動を展開します。この活動がロードキルを減少させ、富士山だけではなく自然が多く残る観光地(特に自然環境を資産として広く認められている世界遺産やジオパークなどの地域)における、新たな野生動物との共存方法になるよう、提案したいです。
最終的には、本プロジェクトのヒントを与えてくれたオーストラリア及び世界へこのインフラを発信し、定着させたいです。私達は、ロードキルが、日本の生態系を脅かす事象の一つだと考えています。富士山山麓でのロードキルを減少させることにより、全ての生きものが安心して暮らしつつ、観光を楽しめるエリアへと成長させていきたいです。
更新日:2016.11.18 ※記事の内容は投稿当時のものです