まもろう ふれよう
市民力・地域力の結集により、ふるさとの水辺と森の原生環境を再生・復活 —市民・NPO・企業・行政とのパートナーシップによる生物多様性空間の再生—
特定非営利活動法人グラウンドワーク三島(静岡県)
三島市の「街中」、松毛川地域の「里」、大場地域の「里山」の3エリアにおける水辺づくり、森づくり、人づくりを有機的に連携させた生態系コリドー「広域的・生物多様性圏域」の形成を進めています。
1.「街中」・源兵衛川「ふるさとの川づくり」
地域総参加の仕掛けにより、1990年以降、ゲンジボタルやホトケドジョウ(静岡県レッドリスト絶滅危惧ⅠA類/県東部)が生息する、源兵衛川の豊かな水辺自然空間が再生・復活しました。2007〜08年、生コンクリートの流出やホテイアオイの大繁殖などの甚大な環境被害が発生した際は、生態系専門家や地域住民との協働による環境モニタリング調査や希少種の生息環境の再生を目指した環境改善活動を継続的に展開し、地域固有の生態系を迅速に蘇らせました。
さらに、市内から消滅した水中花・ミシマバイカモ(環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類)の復活や、「源兵衛川エコレンジャー」の若者・市民120人の育成、小学校への出前講座の開校など、生物多様性を維持する次世代の体制づくりを進めています。
2.「里」・松毛川「千年の森づくり」
松毛川は、狩野川流域に唯一残された6haの止水域で、両岸には、狩野川の原風景であるエノキ・ムクノキなどの巨木による「河畔林」が残存していますが、倒木などの環境劣化が進行しています。そこで、2003年から、自然観察会や植林活動などの河畔林保全活動や「松毛川エコレンジャー」50人の育成を進め、両岸約0.5haに、潜在自然植生の苗木15種・3,000本以上を植林しました。現在、地域住民による愛護組織「松毛三日月会」と共に、「千年の森づくりトラスト運動」を拡大させています。
3.「里山」・大場地域「里山自然公園」
三島市大場には、古井戸を水源とする農業用水路と水田、湿地帯、雑木林からなる里山環境が残り、ホトケドジョウやメダカなどが生息していましたが、伊豆縦貫自動車道の建設により約半分の自然が壊されました。2011年より、地域住民、農業者、三島南高校生徒などとの協働により、生きもの調査や環境改善作業を行い、復田や湿地帯の再生などに取り組んでいます。
[活動内容の映像紹介はこちら:
1.朝日新聞デジタル「富士の湧き水に咲くミシマバイカモ」
http://www.youtube.com/watch?v=eS_0ayYQDAs
2.グラウンドワーク三島「松毛川『千年の森』づくりに若者が挑戦」
https://www.youtube.com/watch?v=VIbMpU37pKU ]