まもろう
大谷ハチドリ計画
気仙沼市立大谷中学校(宮城県気仙沼市)
http://www.kesennuma.ed.jp/ooya-cyuu/html/htdocs/index.php?page_id=0
三陸の豊かな自然に恵まれた大谷。しかし、その自然に異変が生じ、地域の暮らしを支えてきた農林水産業も衰退しています。こうした事態から大谷の自然と暮らしを再生し守ろうと、子どもたちがさまざまな活動に取り組んでいます。
大谷は寒流と暖流がめぐる三陸の豊かな自然に恵まれ、農林水産業が暮らしを支えてきた地域です。しかし、人口の減少や少子高齢化により農林水産業の従事者は減り、地域の暮らしに恵みを与えてくれた自然は手入れもされずに放置されてしまっています。そこに松枯れや磯焼けなどの異変が、追い打ちをかけるように発生しました。この状況から故郷の自然と暮らしを守ろうと、大谷中学校の生徒たちが活動を始めました。松枯れや磯焼けの大元には私たち人間がもたらした環境破壊や温暖化があります。地球規模の大きな問題ですが、「山火事をくちばしで水を一滴ずつ運んで消そうとしたハチドリのように、一人一人が『私にできること』をしよう。一人の力は小さくともその力が集まれば大きな力となるはずだ」という思いから「大谷ハチドリ計画」は始まりました。
初めに、松枯れや磯焼けで傷ついた大谷の自然を復元するため、発生の原因や仕組みを学び、対策に取り組みました。これらの異変はまた、農林水産業の衰退とも関わっています。農林水産業に支えられてきた大谷の暮らしを守るためには、子どもたちが地域の自然と暮らしを一体として継続的に学ぶ仕組みが必要です。そこでこの活動を総合的な学習の時間に組み入れました。今年で、13年が経ちます。さらにこの取り組みを支えるため、幼稚園や小学校と連携(幼小中連携)し、地域や家庭の協力(地域協働教育)も得ることで、地域ぐるみの活動へと進展しています。
2011年、東日本大震災により植樹した松林や再生に取り組んできた海岸と田んぼのほとんどが、津波に飲み込まれ壊滅しました。幸いにも、全国から集まった支援者の尽力で田んぼが復旧し、活動を継続することが可能となりました。ハチドリ計画では、この田んぼの復興と生物多様性の再生に取り組むために「いきものたんぼプロジェクト」を立ち上げ、この活動は2015年に国連生物多様性の10年日本委員会より連携事業の認定を受けています。
更新日:2017.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです