まもろう
みさを大豆復活プロジェクト
みさを大豆研究班(熊本県阿蘇市)
井上みさをさんが発見し、大切に育て増やした阿蘇在来みさを大豆。大量生産消費時代になり生産が減少し、幻の大豆といわれるようになった故郷の貴重な農業資源を復活し、継承する活動です。
1921(大正10)年、阿蘇郡高森町の農家の女性「井上みさをさん」が、畑の中にひときわ大きく育った1本の大豆を見つけました。生育旺盛で収量も多かったその大豆を、1954(昭和29)年に熊本県は「みさを大豆」と命名しました。みさを大豆は阿蘇世界農業遺産の構成要素「伝えたい阿蘇の農業遺産資源」にも登録されていますが、粒であることや扁平で選別がしづらいという理由から生産が減少し、現在は、「幻の大豆」と言われています。しかし、熊本県立大学食健康科学科の白土教授の分析の結果から、みさを大豆にはビタミンEや大豆サポニン、イソフラボンが豊富に含まれていることがわかりました。
活動ではまず、みさを大豆の栽培を行いました。1年目(2016年度)、阿蘇市にある熊本県高原農業研究所に協力して頂き、7月16日に種まきを行いました。3日後に発芽し、8月に開花、12月12日に収穫ができました。収量は10アールあたり約93kgで、阿蘇市の平均収量が約64kgであることから、他の品種以上の収量が得られることができました。本校のみさを大豆の生育調査の結果を熊本県高原農業センターの調査結果(H21)と比較してみると、草丈では差がないものの、主茎節数と分枝数が少ない事がわかりました。山戸陸也研究参事からは、冷涼な阿蘇地域で収量を確保するためには、播種時期と天候が重要である。みさを大豆の播種適期は6月とされているため、次年度の参考にして欲しいと、助言をいただきました。
2年目の今年(2017年度)は昨年より1ヶ月早い6月13日に種まきを行いました。分枝数、結きょう数共に充実しており、昨年以上の収量が期待されます。さらに、今年7月はみさを大豆保存会の方と一緒に高森町で種まきを行いました。また、代表の高森町の井上今朝一から井上みさをさんの事や今後の連携について話を進めることができました。今後もみさを大豆の復活と継承についてさまざまな活動していきます。
更新日:2017.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです