まもろう ふれよう つたえよう
本木上堰保全活動
本木・早稲谷堰と里山を守る会(福島県喜多方市)
https://www.facebook.com/sekitosatoyama
棚田を中心に広がる里山は豊かな生態系を育んでいます。そこに命の水を送り続けている山腹水路こそが生物多様性を保障するものという観点から、都市ボランティアに協力を呼びかけ本木上堰の保全活動を行っています。
260年もの間地域の棚田に水を供給している山腹水路、本木上堰。全長6kmの約半分は開削当時の土水路のまま残され、貴重な生きものの生息場所です。しかし、土水路の維持は多大な労力を要する一方、高齢化・過疎化・離農が進みその保全が難しくなりました。水路が放棄されれば棚田は消え、様々な生きものも生息場所を奪われ、生態系は激変します。里山とその生物多様性を守るためには、何よりこの「堰」の保全が大切だと考え、このような活動に取り組んできました。
1. 水路保全に最も重要な作業「堰さらい」へのボランティア募集です。2000年には7名だった参加者も2013年には50名にまで広がりました。同時に里山交流会を開き勉強会も行い交流を図ります。また、支援者へ年4回「上堰だより」を送付して地域の様子を伝えています。
2. 守るためには知らねばなりません。古老たちの頭の中にある開削や歴史を記録に留め、水路や動植物について現状を把握する聞き取りと調査を重ね、2008年に「本木上堰の歴史と自然」というA4判62頁の小冊子を作成しました。
3. 貴重な植物や人の暮しとのつながりを視覚的に伝えるために、毎年草本5種・樹木5 種ずつA5判カラーの図鑑づくりを続けています。現在48種です。
4. 地域の自然の豊かさにふれ認識を深め、次の世代につないでいくために、地元の小学校や住民と協力して生きもの調査・植生調査や自然探勝会などを毎年行っています。
5. 社会的にも山腹水路の大切さを伝え認識を広げていくために、2012年には専門家を招いてシンポジウムを開催し、水路の多機能性や農業の魅力など、を広く情報共有する機会を作りました。
6. この「堰」の水で作った米を多くの人に味わっていただくと共に、地元農家の経営を支えるために、「上堰米」の直売をしています。今年からは上堰米を使ったお酒の醸造を委託し販売する取り組みも開始しました。
更新日:2014.01.06 ※記事の内容は投稿当時のものです