まもろう
ヨシ原の保全活動!! ヨシを紙に
山田兄弟製紙(株)(福井県越前市)
河川敷きに生育するヨシ葦。生育時に河川の水を浄化する植物、ヨシの再利用とヨシ原の保全活動、そしてヨシを使った子供たちへの環境学習を行っています。
河川敷きに生育しているヨシは、水中のリンや窒素を栄養素として吸収して育つため、川の水を浄化する植物です。また、大きく高く成長したくさん葉を付け光合成を行うため、地球温暖化の緩和にも役立っていました。しかし、イネ科の多年草で毎年冬には立ち枯れし、刈り取りが必要な植物でもあります。昔はヨシ原の近くにはヨシ業者がいて、毎年ヨシ刈りが行われ、刈り取ったヨシはヨシズや建築資材に再利用されていました。刈り取り後のヨシ原では、野焼きが行われ、春には新しい新芽が芽を出します。人の手が入ることでヨシ原の生態系は保たれてきました。
しかし近年、ヨシ業者の高齢化とヨシが安価で輸入されることから、ヨシ原には手が入らなくなり衰退していきました。また、河川工事で河川の底を下げる工事が行われたヨシは水に浸からなくなり、陸地化したヨシ原にはヨシが生育しなくなっていきました。
川の水をきれいにしたい、湖の水を浄化したい、環境意識の高まりと共に、刈り取っても利用されないヨシが問題となり、河川で焼却することもままならない今、新しい再利用方法としてヨシを使った和紙を製造することになりました。
ボランティアの手で刈り取られたヨシは、ヨシパルプに加工されて、弊社でヨシ紙として製造しています。新しい素材となったヨシ紙は、環境を重視する企業の封筒や名刺、環境白書、CSR活動報告書などに使われています。弊社では売上の一部をヨシ原の保全活動に使っています。毎年冬には従業員全員でヨシ刈りボランティアに参加し、ヨシ原の保全活動にも力を入れています。
更新日:2014.01.06 ※記事の内容は投稿当時のものです