たべよう
子供たちによるふるさとづくり 「牡蠣養殖体験」
石巻市立大原小学校(宮城県石巻市)
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/school/20304100/index.html
1999年から取り組み、震災後も保護者や地域の支援・協力で継続しています。一連の牡蠣養殖体験活動や食体験、海の豊かさを学ぶ森林教室等、総合的な学びを通して復興に寄与できる児童の育成を目指しています。
本校が位置する牡鹿半島は牡蠣養殖技術発祥の地と言われ、植物プランクトンが豊富で牡蠣養殖の最適地として有名です。本校の牡蠣養殖体験は、総合的な学習の時間の一環として3年生以上を対象に実施しています。1999年より18年間取り組んでいる本校の特色ある教育活動の一つになっています。
指導者は地域の牡蠣養殖家で、学校と協働しながら地域の豊かな自然がもたらす産業についての学習を通して、地域の先人の知恵と技術を学ぶ機会になっています。また、「世界の牡蠣王」と呼ばれた「宮城新昌」が研究・開発に取り組んだ地として、地域の良さを再発見したり、志をもたせたり、自己の生き方について考えさせる機会になっています。
3・4年生は「からこさし」といって、ホタテの貝殻をつなげて牡蠣の稚貝を付着させるための作業を体験しています。5・6年生は「種ばさみ」といって、ホタテの殻に付着した20~30個の稚貝(種がき)を昔から地域で使われている手回しの機械を使い、2本のロープを縒った間に挟み込む体験をしています。その後、挟み込んだ種がきを学校前の養殖棚に投入します。投入した種がきは、2年間、海中のプランクトンを食べて成長します。2月には2年間、育てた牡蠣を収穫し、「牡蠣むき」を体験します。牡蠣処理場での体験を通して、安心安全な牡蠣を消費者に届けるための工夫や努力を地域の方から学んでいます。
収穫した牡蠣は2月に毎年実施する「ふるさと学習発表会」で地域の方々を招待し、地域の伝統食である「牡蠣汁」にして振る舞っています。その際地域に伝わる伝統芸能や収穫に感謝した餅まきを行い、豊かな恵みに感謝しています。また、3・4年生は、林野庁東北森林管理局宮城北部森林管理署と連携し、学校近くの国有林の除伐作業により、森林に降った雨が養分を含んで海を豊かにしていることを学習しています。児童は、4年間をかけて人との関わりを大切にしながら海と山の豊かな恵みを系統的に学んでいます。
更新日:2017.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです