日程:2019年12月5日(木)
時間:13:30–17:00 13:00受付開始
場所:東京ビックサイト 会議棟1階 102会議室
主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
共催:一般社団法人セブンーイレブン記念財団
2013年にスタートした生物多様性アクション大賞は、今年で最終回を迎えました。
本アワードは、生物多様性の主流化を目指して、「国連生物多様性の10年日本委員会」が推進する「MY行動宣言5つのアクション」に基づき、全国各地で行われている個人・団体の活動を表彰するものです。
2019年は、91団体の応募の中から、受賞団体が決定。授賞式会場となる東京ビックサイトに全国各地から受賞者の皆さんが集まりました。
たべよう部門優秀賞
群馬県立勢多農林高等学校 植物バイオ研究部
ふれよう部門優秀賞
川名里山レンジャー隊
つたえよう部門優秀賞
エコガイドカフェ
まもろう部門優秀賞
オオタカ保護基金
えらぼう部門優秀賞
株式会社スマイリーアース
復興支援賞
網地島ふるさと楽好
グリーンウェイブ賞
株式会社アキュラホーム ウッドストロープロジェクト
セブン-イレブン記念財団賞
熊本県立岱志高等学校理科部
審査委員賞
(後列左から)上西郷川日本一の郷川をめざす会/社会福祉法人埼玉のぞみ園 深谷たんぽぽ/中越パルプ工業株式会社/なごや生物多様性保全活動協議会
(前列左から)生物多様性びわ湖ネットワーク/環境ネットワーク「虹」/特定非営利活動法人気象キャスターネットワーク/登米市立米谷小学校/新潟市
授賞式の後、特別賞、審査委員賞の受賞団体より、3枚の写真を使ったスリーピーストーク形式で活動の紹介がありました。子どもから大人まで、そして企業・自治体・NPO・学校などさまざまな人たちが地域で関わり合い、活動している様子が多く紹介されました。
5部門優秀賞の受賞団体は、自由形式のプレゼンテーションで活動を紹介。このプレゼンテーションが最終審査の対象となり、農林水産大臣賞、環境大臣賞が決まります。
ついに審査結果発表です!
農林水産大臣賞は、たべよう部門優秀賞『伝統食材「あかじゃが」「アワバタダイズ」を活用した地域振興プロジェクト(前橋市・群馬県立勢多農林高等学校 植物バイオ研究部)』でした。
農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究総務官 島田和彦様からのコメント
今回の農林水産大臣賞の受賞は、審査員全員一致で、受賞が決まったと聞いています。高校生の皆様が、商工会やカフェなど地域のさまざまな方と協力しながら伝統種を残す取り組みをしていることには大変感動しました。単に伝統種を守るだけでなく種の「選抜」を行い、地域に予定数量を供給することは、非常に使命のあることです。ジャガイモのウイルスフリーに関しては、研究機関でもなかなか難しい成長点培養を行っており、非常に技術の高いことをやられています。そういった過程を経て、地域で商品化に至るまでのことを成し遂げておられることには、非常に感動いたしました。ぜひ皆様その点について、祝福いただければと思います。
受賞者 群馬県立勢多農林高等学校 植物バイオ研究部 吉田愛実様からのコメント
農林水産大臣賞をいただき、本当に嬉しく思います。今回の受賞は地元・神流町の方々のおかげだと思っています。ぜひその気持ちも伝えていきたいなと思っております。本当に喜ばしい限りです。ありがとうございましました。
環境大臣賞は、つたえよう部門優秀賞『ノータッチサンゴ(宮古島市・エコガイドカフェ)』でした。
環境省 自然環境局長 鳥居敏男様コメント
受賞、本当におめでとうございます。地球温暖化が進む中でサンゴに影響が出ていると言われており、企業として、「ルール」ではなく「マナー」として呼びかけ、啓発している活動ということが非常にユニークだと思います。宮古島ではインバウンドがどんどん増えていると新聞でも報道されていますが、地元の人を巻き込みながら、多言語での働きかけを行い、情報の受け手を通じて世界に広がっていくというのも、また素晴らしいことだと思います。繋がりを大事にして、どんどん発信して、宮古島の、そして、日本の自然の素晴らしさを世界に伝えていってもらえればと期待しております。本当におめでとうございました。
受賞者 エコガイドカフェ 猪澤也寸志様からのコメント
ありがとうございます。私が今日ここに来たのは「ノータッチサンゴ」を伝えるためです。健全なサンゴ礁を子供や孫たちの時代につなぐために最も大事なこと。それは「今あるサンゴを守る」こと。海の多様性を維持するためにもノータッチサンゴを伝え続け、国内外にどんどん広げていきたいと思います。オーバーツーリズムが危惧されている宮古島において、行政や航空会社、下地島空港や旅行代理店等とコラボしながら、まずはノータッチサンゴを完全定着させたいと思います。本環境大臣賞に恥じぬよう、宮古島をSDGsのメッカとすべく精進していきますので、今後ともお力を貸していただければと思います。どうもありがとうございました。
受賞された団体の皆様、本当におめでとうございました。今年もそれぞれの部門から選ばれた優秀賞5つの団体から、悩みに悩みながら、2つの大臣賞受賞団体を出させていただきました。でも私が一番お伝えしたいことは、大臣賞の受賞に関わらず、いずれも本当に素晴らしい活動だということです。
農林水産大臣賞に選ばれました、勢多農林高等学校・植物バイオ研究部は、地域の伝統食材に着目し、それを「食の文化財」と捉えられています。伝統食材を生かした地域振興には、植物バイオ研究部ならではの知恵や専門技術が、ふんだんに生かされていました。特に、高校生の視点を入れて商品開発をされた「奥多野みそ」は非常に素晴らしい取り組みと感じました。そのような商品を次々に開発して、農家の皆様や商工会の皆様などと共に、地域のビジネスとして成り立たせています。地域の資源、遺伝的な資源を守りながら、地域振興と結びつけている点で、非常にモデル的な取り組みだと、審査員一同、評価が一致しました。
そして環境大臣賞に選ばれました「ノータッチサンゴ」のエコガイドカフェの皆様のポリシーは、規制ではなく“ノータッチマナー”。宮古島の地域づくりとサンゴの保全・保護を両立させるべく活動をされています。インバウンド需要で海の利用者も増え、サンゴへの影響が非常に心配されている状況が宮古島にあります。発信によって共感を作り出し、ルールではなくマナーとしてみんなに守ってもらう。発信のみならず、情報を受けた人の心が動かされるかどうかが重要だと感じました。その点において、とても力を持っている活動だと高く評価をしています。
大臣賞に選ばれた2つの団体をはじめ、ここに集まっていただいた全ての皆様の力が一つに集まって、生物多様性を前に進めていけたら素晴らしいことです。そうすることで生物多様性の意識や行動が社会の中でより広がっていけば、この生物多様性アクション大賞の開催が、意味あるものになっていくのだと思います。是非そんな動きがここから湧き上がっていきますように願っています。本日は、本当におめでとうございました。
受賞式の最後に、生物多様性アクション大賞2019開催にあたり、ご協賛・ご協力いただいた企業の皆様より応援メッセージをいただきました。
「皆様この度は、おめでとうございます。ご関係者の皆様のご尽力、いかばかりかとお察し申し上げます。受賞者の皆様は、それぞれの地域が抱える問題を発見し、日々アクションを積み重ねられています。そしてそれを周囲に拡散していきながら、パワフルに活動されていることが素晴らしいと感じました。 当社ではこの春、社員とその家族を対象として、生物多様性を守るためにできるアクションを宣言する「My行動宣言」のイベントを実施。私も宣言をしたのですが、意識して生活してみると、私たちの暮らしに根ざした生物多様性に改めて気づくことができました。2020年、生物多様性の10年は最終年を迎えますが、これはゴールではなく新たなスタート。私たちも皆様と共に日々コツコツと、自然と共生する社会を目指し、今後も活動を続けていきたいと思います」
「受賞者の皆様、本日は大変おめでとうございます。皆様のプレゼンテーションを拝見し、大変素晴らしい取り組みが各地で行われていることを実感しました。最初の一歩を踏み出すアクションだけでも難しいことだと考えますが、長年活動を継続されている団体も多く、感心いたしました。私どもJTBグループも、アクション大賞2018ふれよう部門で賞をいただき、この場で改めて御礼申し上げます。私どもも細々とではありますが、各地域で活動を行なっております。継続する中では、人やお金の問題、その時の社会環境など、さまざまな困難があるかと思いますが、そういったものを乗り越えて継続する力を皆様が持っていらっしゃって、さらにこの場に集まっておられるということ、大変刺激になります。皆様の活動を見習いながら、私どもの活動も前進していければと思います。最後になりますが、受賞者の皆さん本当におめでとうございました」
「受賞された皆様、本当におめでとうございます。今年も大変熱のあるプレゼンテーション、とても頼もしく拝聴しました。まずは勢多農林水産高等学校の高校生の皆様。商品を開発して道の駅で販売をするところまで行われている点は、経済団体としても心強いなと感じます。それからエコガイドカフェの皆様は、観光客も環境も、ウィンウィンの形で良くなっていくことを目指されています。全国の活動がそんな形になればいいなと思いました。両団体とも、本当におめでとうございます。 私は本日、復興支援賞のプレゼンターとして参りました。経団連自然保護協議会では東日本大震災以降、環境省とも連携を図りながら復興支援活動をしてきました。今回受賞された網地島ふるさと楽好の皆様は、特に若い少年少女の成長のためにご尽力されています。高齢化が進んだ地域において大変なところもあるかと思うのですが、持続可能な社会を担う人づくりという観点から、ぜひ今後も継続して活動いただければと思います。ありがとうございました」
「大臣賞、各賞受賞された皆様、大変おめでとうございます。国土緑化推進機構は緑の募金でご存知だと思いますが、緑の募金をやっている団体です。この募金を通じて、全国植樹祭や全国育樹祭など、緑化活動を行なっています。今回グリーンウェイブ賞を受賞された、ウッドストロープロジェクトは、端材を利用した、廃プラスティック問題に向き合った非常に優れた開発を行われたと考えています。木のストローは、2019年6月に日本で初開催されたG20でも配られ、非常に好評でした。ぜひ皆様機会がありましたら、このような商品を使っていただきたいと思います。 私は今SDGsの部門を担当していますが、最近考えることは、かつて遠く離れた存在だった「環境」と「経済」が、かなり近づいてきたということです。皆様の活動を拝見していると、単に「保護」ではなく、それが経済の中で無理なくまわるように、素晴らしい活動をしていると感じています。 生物多様性も、経済と保護が一緒になって無理なく回転・循環していく中で、維持・確保されていくことがとても大事だと思います。ぜひこうした活動がさらに続くことを願っております」
「受賞された皆様、本当におめでとうございます。セブン-イレブン記念財団は、セブン-イレブン店頭のレジの隣にある募金箱やセブン-イレブン本部からの寄付金などをもとに、運営されている財団です。弊団体も助成金事業を行いながら、こういったフォーラムもいくつか開催させていただいていますが、特にNPOをはじめとしてさまざまな環境活動をされている団体は、高齢化や後継者問題、資金繰りの問題など、さまざまな課題を抱えています。そのため助成金として、毎年約300件ほどの団体様に、前振り込みで助成金をお振込し、活動が終わったら領収書をいただく形で、財団を運営しています。そういった活動をやっていますとさまざまなコミュニティができ、本当に環境に携わる人は熱いなと感じます。“熱い人”の盛り上がりをベースに、全国的に活動が広がっていけば、少しずつ環境も変わるのではないかなと考えています。我々としても、皆様と一緒になって環境を変えていきたいと考えております。今後も継続して頑張っていただきたいです。本日はありがとうございましました」
授賞式翌日の12月6日(金)には、エコプロ2019の会場に特設された「特設ステージ」にて各大臣賞を受賞した2団体が活動を発表。生物多様性アクション大賞アンバサダーのさかなクンも登場しました。
さかなクンが描いた魚の名前を当てる「旬のお魚を食べる」コーナーでは、さかなクンがその日の朝に漁に出て釣ってきた魚を披露しながらクイズを出題!今年は3択からの問題でしたが、その場でクイズを考えながらの出題で、会場はとても盛り上がりました。
後半は、大臣賞を受賞した団体から活動の発表、CEPAジャパン代表理事の川延昌弘から、SDGs(持続可能な開発目標)と生物多様性の関わりについてお話がありました。来場者の皆さんにはSDGsと生物多様性を分かりやすく理解してらえるステージになりました。
企業、自治体、高校生、NPOなど、さまざまな方からの応募が見られた生物多様性アクション大賞2019。今回初めての応募や、企業の応募も目立ちました。また、生物多様性を守るだけでなく、地域振興や観光振興などと結びつけながら進められている活動に注目が集まりました。さまざまな困難を抱えながらも、継続的に活動を行なっている団体も多く受賞されています。
生物多様性5つのアクション「たべよう」「ふれよう」「つたえよう」「まもろう」「えらぼう」を通じて、生物多様性保全に取り組むことは、大きな視点で地球を感じ、自然と調和した暮らしの実現につながります。
生物多様性アクション大賞は最終回を迎えましたが、「国連生物多様性の10年」の最終年である2020年には、活動を総括し、未来に向けたイベントを開催予定です。
5つのアクションに沿って、全国各地の事例を紹介しているウェブサイト「いきものぐらし」で今年入賞した活動を紹介しています。ぜひご覧ください。
日程:2019年12月5日(木)
時間:13:30–17:00 13:00受付開始
場所:東京ビックサイト 会議棟1階 102会議室
主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
共催:一般社団法人セブンーイレブン記念財団
2013年にスタートした生物多様性アクション大賞は、今年で最終回を迎えました。
本アワードは、生物多様性の主流化を目指して、「国連生物多様性の10年日本委員会」が推進する「MY行動宣言5つのアクション」に基づき、全国各地で行われている個人・団体の活動を表彰するものです。
2019年は、91団体の応募の中から、受賞団体が決定。授賞式会場となる東京ビックサイトに全国各地から受賞者の皆さんが集まりました。
たべよう部門優秀賞
群馬県立勢多農林高等学校 植物バイオ研究部
ふれよう部門優秀賞
川名里山レンジャー隊
つたえよう部門優秀賞
エコガイドカフェ
まもろう部門優秀賞
オオタカ保護基金
えらぼう部門優秀賞
株式会社スマイリーアース
復興支援賞
網地島ふるさと楽好
グリーンウェイブ賞
株式会社アキュラホーム ウッドストロープロジェクト
セブン-イレブン記念財団賞
熊本県立岱志高等学校理科部
審査委員賞
(後列左から)上西郷川日本一の郷川をめざす会/社会福祉法人埼玉のぞみ園 深谷たんぽぽ/中越パルプ工業株式会社/なごや生物多様性保全活動協議会
(前列左から)生物多様性びわ湖ネットワーク/環境ネットワーク「虹」/特定非営利活動法人気象キャスターネットワーク/登米市立米谷小学校/新潟市
授賞式の後、特別賞、審査委員賞の受賞団体より、3枚の写真を使ったスリーピーストーク形式で活動の紹介がありました。子どもから大人まで、そして企業・自治体・NPO・学校などさまざまな人たちが地域で関わり合い、活動している様子が多く紹介されました。
5部門優秀賞の受賞団体は、自由形式のプレゼンテーションで活動を紹介。このプレゼンテーションが最終審査の対象となり、農林水産大臣賞、環境大臣賞が決まります。
ついに審査結果発表です!
農林水産大臣賞は、たべよう部門優秀賞『伝統食材「あかじゃが」「アワバタダイズ」を活用した地域振興プロジェクト(前橋市・群馬県立勢多農林高等学校 植物バイオ研究部)』でした。
農林水産省 農林水産技術会議事務局 研究総務官 島田和彦様からのコメント
今回の農林水産大臣賞の受賞は、審査員全員一致で、受賞が決まったと聞いています。高校生の皆様が、商工会やカフェなど地域のさまざまな方と協力しながら伝統種を残す取り組みをしていることには大変感動しました。単に伝統種を守るだけでなく種の「選抜」を行い、地域に予定数量を供給することは、非常に使命のあることです。ジャガイモのウイルスフリーに関しては、研究機関でもなかなか難しい成長点培養を行っており、非常に技術の高いことをやられています。そういった過程を経て、地域で商品化に至るまでのことを成し遂げておられることには、非常に感動いたしました。ぜひ皆様その点について、祝福いただければと思います。
受賞者 群馬県立勢多農林高等学校 植物バイオ研究部 吉田愛実様からのコメント
農林水産大臣賞をいただき、本当に嬉しく思います。今回の受賞は地元・神流町の方々のおかげだと思っています。ぜひその気持ちも伝えていきたいなと思っております。本当に喜ばしい限りです。ありがとうございましました。
環境大臣賞は、つたえよう部門優秀賞『ノータッチサンゴ(宮古島市・エコガイドカフェ)』でした。
環境省 自然環境局長 鳥居敏男様コメント
受賞、本当におめでとうございます。地球温暖化が進む中でサンゴに影響が出ていると言われており、企業として、「ルール」ではなく「マナー」として呼びかけ、啓発している活動ということが非常にユニークだと思います。宮古島ではインバウンドがどんどん増えていると新聞でも報道されていますが、地元の人を巻き込みながら、多言語での働きかけを行い、情報の受け手を通じて世界に広がっていくというのも、また素晴らしいことだと思います。繋がりを大事にして、どんどん発信して、宮古島の、そして、日本の自然の素晴らしさを世界に伝えていってもらえればと期待しております。本当におめでとうございました。
受賞者 エコガイドカフェ 猪澤也寸志様からのコメント
ありがとうございます。私が今日ここに来たのは「ノータッチサンゴ」を伝えるためです。健全なサンゴ礁を子供や孫たちの時代につなぐために最も大事なこと。それは「今あるサンゴを守る」こと。海の多様性を維持するためにもノータッチサンゴを伝え続け、国内外にどんどん広げていきたいと思います。オーバーツーリズムが危惧されている宮古島において、行政や航空会社、下地島空港や旅行代理店等とコラボしながら、まずはノータッチサンゴを完全定着させたいと思います。本環境大臣賞に恥じぬよう、宮古島をSDGsのメッカとすべく精進していきますので、今後ともお力を貸していただければと思います。どうもありがとうございました。
受賞された団体の皆様、本当におめでとうございました。今年もそれぞれの部門から選ばれた優秀賞5つの団体から、悩みに悩みながら、2つの大臣賞受賞団体を出させていただきました。でも私が一番お伝えしたいことは、大臣賞の受賞に関わらず、いずれも本当に素晴らしい活動だということです。
農林水産大臣賞に選ばれました、勢多農林高等学校・植物バイオ研究部は、地域の伝統食材に着目し、それを「食の文化財」と捉えられています。伝統食材を生かした地域振興には、植物バイオ研究部ならではの知恵や専門技術が、ふんだんに生かされていました。特に、高校生の視点を入れて商品開発をされた「奥多野みそ」は非常に素晴らしい取り組みと感じました。そのような商品を次々に開発して、農家の皆様や商工会の皆様などと共に、地域のビジネスとして成り立たせています。地域の資源、遺伝的な資源を守りながら、地域振興と結びつけている点で、非常にモデル的な取り組みだと、審査員一同、評価が一致しました。
そして環境大臣賞に選ばれました「ノータッチサンゴ」のエコガイドカフェの皆様のポリシーは、規制ではなく“ノータッチマナー”。宮古島の地域づくりとサンゴの保全・保護を両立させるべく活動をされています。インバウンド需要で海の利用者も増え、サンゴへの影響が非常に心配されている状況が宮古島にあります。発信によって共感を作り出し、ルールではなくマナーとしてみんなに守ってもらう。発信のみならず、情報を受けた人の心が動かされるかどうかが重要だと感じました。その点において、とても力を持っている活動だと高く評価をしています。
大臣賞に選ばれた2つの団体をはじめ、ここに集まっていただいた全ての皆様の力が一つに集まって、生物多様性を前に進めていけたら素晴らしいことです。そうすることで生物多様性の意識や行動が社会の中でより広がっていけば、この生物多様性アクション大賞の開催が、意味あるものになっていくのだと思います。是非そんな動きがここから湧き上がっていきますように願っています。本日は、本当におめでとうございました。
受賞式の最後に、生物多様性アクション大賞2019開催にあたり、ご協賛・ご協力いただいた企業の皆様より応援メッセージをいただきました。
「皆様この度は、おめでとうございます。ご関係者の皆様のご尽力、いかばかりかとお察し申し上げます。受賞者の皆様は、それぞれの地域が抱える問題を発見し、日々アクションを積み重ねられています。そしてそれを周囲に拡散していきながら、パワフルに活動されていることが素晴らしいと感じました。 当社ではこの春、社員とその家族を対象として、生物多様性を守るためにできるアクションを宣言する「My行動宣言」のイベントを実施。私も宣言をしたのですが、意識して生活してみると、私たちの暮らしに根ざした生物多様性に改めて気づくことができました。2020年、生物多様性の10年は最終年を迎えますが、これはゴールではなく新たなスタート。私たちも皆様と共に日々コツコツと、自然と共生する社会を目指し、今後も活動を続けていきたいと思います」
「受賞者の皆様、本日は大変おめでとうございます。皆様のプレゼンテーションを拝見し、大変素晴らしい取り組みが各地で行われていることを実感しました。最初の一歩を踏み出すアクションだけでも難しいことだと考えますが、長年活動を継続されている団体も多く、感心いたしました。私どもJTBグループも、アクション大賞2018ふれよう部門で賞をいただき、この場で改めて御礼申し上げます。私どもも細々とではありますが、各地域で活動を行なっております。継続する中では、人やお金の問題、その時の社会環境など、さまざまな困難があるかと思いますが、そういったものを乗り越えて継続する力を皆様が持っていらっしゃって、さらにこの場に集まっておられるということ、大変刺激になります。皆様の活動を見習いながら、私どもの活動も前進していければと思います。最後になりますが、受賞者の皆さん本当におめでとうございました」
「受賞された皆様、本当におめでとうございます。今年も大変熱のあるプレゼンテーション、とても頼もしく拝聴しました。まずは勢多農林水産高等学校の高校生の皆様。商品を開発して道の駅で販売をするところまで行われている点は、経済団体としても心強いなと感じます。それからエコガイドカフェの皆様は、観光客も環境も、ウィンウィンの形で良くなっていくことを目指されています。全国の活動がそんな形になればいいなと思いました。両団体とも、本当におめでとうございます。 私は本日、復興支援賞のプレゼンターとして参りました。経団連自然保護協議会では東日本大震災以降、環境省とも連携を図りながら復興支援活動をしてきました。今回受賞された網地島ふるさと楽好の皆様は、特に若い少年少女の成長のためにご尽力されています。高齢化が進んだ地域において大変なところもあるかと思うのですが、持続可能な社会を担う人づくりという観点から、ぜひ今後も継続して活動いただければと思います。ありがとうございました」
「大臣賞、各賞受賞された皆様、大変おめでとうございます。国土緑化推進機構は緑の募金でご存知だと思いますが、緑の募金をやっている団体です。この募金を通じて、全国植樹祭や全国育樹祭など、緑化活動を行なっています。今回グリーンウェイブ賞を受賞された、ウッドストロープロジェクトは、端材を利用した、廃プラスティック問題に向き合った非常に優れた開発を行われたと考えています。木のストローは、2019年6月に日本で初開催されたG20でも配られ、非常に好評でした。ぜひ皆様機会がありましたら、このような商品を使っていただきたいと思います。 私は今SDGsの部門を担当していますが、最近考えることは、かつて遠く離れた存在だった「環境」と「経済」が、かなり近づいてきたということです。皆様の活動を拝見していると、単に「保護」ではなく、それが経済の中で無理なくまわるように、素晴らしい活動をしていると感じています。 生物多様性も、経済と保護が一緒になって無理なく回転・循環していく中で、維持・確保されていくことがとても大事だと思います。ぜひこうした活動がさらに続くことを願っております」
「受賞された皆様、本当におめでとうございます。セブン-イレブン記念財団は、セブン-イレブン店頭のレジの隣にある募金箱やセブン-イレブン本部からの寄付金などをもとに、運営されている財団です。弊団体も助成金事業を行いながら、こういったフォーラムもいくつか開催させていただいていますが、特にNPOをはじめとしてさまざまな環境活動をされている団体は、高齢化や後継者問題、資金繰りの問題など、さまざまな課題を抱えています。そのため助成金として、毎年約300件ほどの団体様に、前振り込みで助成金をお振込し、活動が終わったら領収書をいただく形で、財団を運営しています。そういった活動をやっていますとさまざまなコミュニティができ、本当に環境に携わる人は熱いなと感じます。“熱い人”の盛り上がりをベースに、全国的に活動が広がっていけば、少しずつ環境も変わるのではないかなと考えています。我々としても、皆様と一緒になって環境を変えていきたいと考えております。今後も継続して頑張っていただきたいです。本日はありがとうございましました」
授賞式翌日の12月6日(金)には、エコプロ2019の会場に特設された「特設ステージ」にて各大臣賞を受賞した2団体が活動を発表。生物多様性アクション大賞アンバサダーのさかなクンも登場しました。
さかなクンが描いた魚の名前を当てる「旬のお魚を食べる」コーナーでは、さかなクンがその日の朝に漁に出て釣ってきた魚を披露しながらクイズを出題!今年は3択からの問題でしたが、その場でクイズを考えながらの出題で、会場はとても盛り上がりました。
後半は、大臣賞を受賞した団体から活動の発表、CEPAジャパン代表理事の川延昌弘から、SDGs(持続可能な開発目標)と生物多様性の関わりについてお話がありました。来場者の皆さんにはSDGsと生物多様性を分かりやすく理解してらえるステージになりました。
企業、自治体、高校生、NPOなど、さまざまな方からの応募が見られた生物多様性アクション大賞2019。今回初めての応募や、企業の応募も目立ちました。また、生物多様性を守るだけでなく、地域振興や観光振興などと結びつけながら進められている活動に注目が集まりました。さまざまな困難を抱えながらも、継続的に活動を行なっている団体も多く受賞されています。
生物多様性5つのアクション「たべよう」「ふれよう」「つたえよう」「まもろう」「えらぼう」を通じて、生物多様性保全に取り組むことは、大きな視点で地球を感じ、自然と調和した暮らしの実現につながります。
生物多様性アクション大賞は最終回を迎えましたが、「国連生物多様性の10年」の最終年である2020年には、活動を総括し、未来に向けたイベントを開催予定です。
5つのアクションに沿って、全国各地の事例を紹介しているウェブサイト「いきものぐらし」で今年入賞した活動を紹介しています。ぜひご覧ください。