授賞式

授賞式

日程:2017年12月8日(金)
時間:13:30–17:00 13:00受付開始
場所:東京ビックサイト 会議棟1階 101会議室

主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
共催:一般社団法人セブンーイレブン記念財団

授賞式レポート

いよいよ授賞式が始まります

そのアクション、実は「生物多様性」につながっていませんか?

生物多様性という言葉には、ちょっと難しいイメージがあるかもしれませんが、実は暮らしの中で何気ない行動が生物多様性につながっていることがたくさんあるのです。たとえば、地元で採れた季節の食材を味わうこと(たべよう)、海や山に出かけて自然に親しんだり、動物園や水族館で生きものとふれあったりすること(ふれよう)、美しい自然や生きものの姿を絵や写真で記録すること(つたえよう)、地域に残る伝統文化や自然を保存すること(まもろう)、環境に配慮した商品を選んで買うこと(えらぼう)。これら全てが生物多様性を豊かにするアクションです。

生物多様性アクション大賞は、生物多様性の主流化を目指して、「国連生物多様性の10年日本委員会」が推進する「MY行動宣言5つのアクション」に基づき、全国各地で行われている個人・団体の活動を表彰するものです。「たべよう部門」、「ふれよう部門」、「つたえよう部門」、「まもろう部門」、「えらぼう部門」の5部門で優秀賞を選定します。今年度から大賞に代えて環境大臣賞、農林水産大臣賞が新たに設置されました。授賞式当日に行われる優秀賞受賞者によるプレゼンテーションを経て大臣賞が選定されます。また2015年に国連加盟国全会一致で採択されたSDGs(2030年までの持続可能な開発目標)に貢献する団体を表彰するSDGs賞も新設されました。

今年はエコプロ会場での授賞式です

授賞式会場となる東京ビックサイトではおりしも「エコプロ2017環境とエネルギーの未来展」が開催されていました。その会場に、東北から九州まで日本各地から受賞者が集まってきました。少し緊張した面持ちの中で、早速、授賞式が始まります。受賞団体には審査委員や協賛企業のみなさまが務めるプレゼンター(左端)から表彰状と目録が贈られます。

たべよう部門優秀賞 石巻市立大原小学校

たべよう部門優秀賞
石巻市立大原小学校

ふれよう部門優秀賞 とくしま生物多様性リーダーチーム

ふれよう部門優秀賞
とくしま生物多様性リーダーチーム

つたえよう部門優秀賞 北九州・魚部

つたえよう部門優秀賞
北九州・魚部

まもろう部門優秀賞 株式会社加藤建設

まもろう部門優秀賞
株式会社加藤建設

えらぼう部門優秀賞 特定非営利活動法人つくしん棒

えらぼう部門優秀賞
特定非営利活動法人つくしん棒

復興支援賞 気仙沼市立大谷中学校

復興支援賞
気仙沼市立大谷中学校

グリーンウェイブ賞 特定非営利活動法人三嶺の自然を守る会

グリーンウェイブ賞
特定非営利活動法人三嶺の自然を守る会

セブン-イレブン記念財団賞 兵庫県立御影高等学校 環境科学部生物班

セブン-イレブン記念財団賞
兵庫県立御影高等学校 環境科学部生物班

SDGs賞 渋川小学校・滋賀の郷土料理学習実行委員会

SDGs賞
渋川小学校・滋賀の郷土料理学習実行委員会

審査委員賞

審査委員賞
(上列左から)
魚津三太郎倶楽部/特定非営利活動法人田んぼ/
山梨県立吉田高等学校放送部×富士山アウトドアミュージアム
(下列左から)
特定非営利活動法人大杉谷自然学校/一般社団法人くりはらツーリズムネットワーク
※みさを大豆研究班(授賞式当日はご欠席)


以上、各部門優秀賞5団体、特別賞4団体、審査委員賞5団体、計14団体全ての表彰が終了しました。受賞されました皆様、おめでとうございます。

大臣賞の発表

授賞式の後、特別賞、審査委員賞の受賞団体から、3枚の写真を使って3分間で活動を紹介するスリーピーストーク形式でのプレゼンテーションがありました。受賞者のみなさんも、日頃なかなか知ることのない他団体の活動には興味津々。それぞれの地域に根ざしたバリエーションある活動内容の豊かさに今年も多くの来場者が感銘を受けていました。 そして、5部門優秀賞のみなさまからは自由形式で5分間の発表。このプレゼンテーションが最終審査の対象となり、農林水産大臣賞として1団体、環境大臣賞として1団体が選ばれます。それぞれにユニークで意義深い活動の発表だっただけに、審査委員も頭を悩ませました。そしてついに発表の時がやってきました!

農林水産大臣賞

農林水産大臣賞は、つたえよう部門優秀賞『魚部〜人物多様性をもとに、生物多様性を伝える活動(北九州・魚部)』でした。

農林水産大臣賞

農林水産省 技術会議事務局 研究総務官 大角亨様(写真右端)からのコメント
「本当におめでとうございます。北九州の高校の部活動から始まったと伺いましたが、今では活動が全国に広がっています。日本各地を巡りながら生物多様性に関する活動を行い、それを「ぎょぶる」という雑誌にまとめているという点に広がりと発展性を感じました。また、「ぎょぶる」という雑誌を拝見したところ、内容も編集面も充実していて見事だなと思います。この活動を続けて行くうえで、生きものに関する専門的な知識だけでなく、伝えるためのノウハウを必要とする部分が多々あるかと思います。本日の発表を拝聴していて、皆様とてもエネルギッシュだったので今後ともこの活動が発展していくことを強く期待しているところです」


受賞者の北九州・魚部のみなさまのコメント
「もう驚きで、感情が沸き上がって、今にも泣きそうです! 実は活動が新しくなって3年目なのですが、今までの取り組みがこうして評価していただけて本当によかったと思います。今回のことを糧にしてさらにがんばっていきたいと思います。ありがとうございました」

環境大臣賞

環境大臣賞は、まもろう部門優秀賞『エコミーティング〜建設業に置ける環境活動〜(株式会社加藤建設)』でした。

環境大臣賞

環境省 自然環境局長 亀澤怜治様(写真右端)からのコメント
「建設業が、その技術力を活かして自然を守るだけでなく回復することもできる、という熱い想いを感じました。社員一丸となって、発注者や地域の方と協力しながら、まさに地域ぐるみで取り組んでいらっしゃるる点が素晴らしいと思います。このような取り組みがモデルとなって他の企業にも広がっていくことを期待しています。今後も技術力を活かして活動を広げて行っていただければと思います。おめでとうございます」


受賞者の加藤建設のみなさまのコメント
「建設業、インフラ整備という分野は実はものづくりが大好きな人間が集まっています。でも、環境を破壊していると言われるのが物凄く悔しくて、できることから始めようと思い立って8年前から取り組んでいるのが、このエコミーティングです。皆さんに真似してもらえるように、お金をかけずに、負担にならないやり方で、日本の工事現場全てがエコミーティングをやっているよ、というところを目指して始めました。道は険しいもので道半ばですが、今回こうして環境大臣賞をいただいたことで、まだまだがんばれよ、と言っていただいたような気持ちです。日本中の工事現場がエコミーティングをするようになって、『建設業ってわりといい業界じゃない』と思ってもらえるようにがんばっていきたいと思います。本日はありがとうございました」

審査委員長総評

渡辺審査委員長

IUCN日本委員会会長 渡辺綱男 審査委員長

「どれくらいの応募が集まるかなと楽しみにしていたところ、116件という、大変たくさんの応募をいただきました。たべよう、ふれよう、つたえよう、まもろう、えらぼう、と各部門にわたっての応募がありましたし、活動の対象も森、里、川、海と色々な環境を対象としていて、活動主体も市民団体、学校、企業、と様々なセクターから、実に多様な活動の応募をしていただきました。とても素晴らしい応募をたくさんいただけたので、審査委員としては悩みながら真剣で白熱した議論を続け、各賞を受賞した団体が選ばれたという選考の経緯があります。 農林水産大臣賞を受賞された「北九州・魚部」は、2歳から80代まで約320人で構成されており、魚の専門家、農林漁業に従事されている方など人物にも多様性があります。高校の部活動から始まった活動が今では全国に広がりをみせているという点にも感銘を受けました。日本各地へ取材に出かけ「ぎょぶる」という雑誌を展開したり、展覧会に仕立てたりするなど、発信に対する活動姿勢も素晴らしい。魚や水生生物への情熱がこのような意義深い活動につながっており、更に活動が広がることを期待します。 環境大臣賞を受賞された「株式会社加藤建設」は、建設業なりに自然環境保全に貢献しよう、という想いから8年前に「エコミーティング」を開始。社内の色々な立場の人たちが「エコミーティング」に参加し、環境保全に向けたアイデアを出し合い実現していく。環境調査結果を地域へ共有しながら保全の為の配慮をひねり出し、発注者との厳しい交渉の末、実現させていくという企業姿勢は本当に素晴らしい。このチャレンジが全国に伝われば、社会を大きく変えていく力になるでしょう。 各賞を受賞されました皆様に改めてお祝い申し上げます。また、応募をいただいた全ての皆様にこの場を借りて感謝を致しますと共に、それぞれの活動が更に前に進んでいきますよう、ここに集まった会場の皆様と一緒に願って総評とさせていただきます」

関係団体の皆様からの応援メッセージ

結びに、生物多様性アクション大賞2017開催にあたり、お力添えいただいた企業や団体の皆様から応援メッセージをいただきました。

前田建設工業株式会社

前田建設工業株式会社 CSR・環境部 リーダー 渡辺千尋様

「受賞者の皆様、大変おめでとうございます。当社は現在、社員の生物多様性についての知識拡充を目的に、『生物多様性クイズ』という取り組みを展開しています。24日間に渡って約1000人の社員が挑戦しています。そこから社員同士の交流や、楽しい学びなどの広がりを感じておりますが、今回受賞者の皆様の活動を拝見して、昨年の『気づき』から一歩踏み込んだ、『楽しい学び』と『結びつき』がマッチしているものが多いと感じました。人と人との、また人と地域とのつながりなど、さまざまなものの『結びつき』には、新たな何かを生み出す大きなパワーがあるのだと改めて感じています。皆様の活動からうまれるこうした動きが全国に広がっていけば、生物多様性についての認識が広がり、自ずと一人ひとりのアクションにつながる、という時代がくると感じます。私たちも皆様と一緒にがんばっていきたいと思います」

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社 経営戦略部 環境経営グループ担当課長 能勢泰祐様

「各賞を受賞された皆様、おめでとうございます。セキスイハイムという名前で本大賞に協賛させていただきました。家をつくっているということで、生態系から多大な恩恵を受けている企業と言える私どもですが、同じ建設業である株式会社加藤建設様の受賞をうれしく思います。私ごとですが、京都府の北部出身で幼い頃はイノシシのごとく野山を駆け巡って育ち、生きものとふれあう機会に恵まれてきました。残念に思うことは、地域の人や先生の中にもっと虫や生きものについて詳しく教えてくれる方がいれば、都会に出ても虫が大好きでいられる人が育ったかもしれない、というのが率直な気持ちです。環境教育の大切さを強く感じています。今後も素晴らしい活動を続けていっていただけたらと思います」

経団連自然保護協議会

経団連自然保護協議会 事務局長代行 吉田一雄様

「経団連は1350社を越える会員企業から構成される経済団体ですが、そのうち約100社が生物多様性に関する活動に賛同し自然保護協議会が組織されています。様々なプロジェクトの支援、会員企業に対する情報提供や啓発活動などを主な活動としております。生物多様性への取組は、地域ごとに課題が異なる特色があるため、現場での実践活動を重視しています。本日拝聴したなかでは、多くの活動が、末永く続いていくように人材育成に力を注いでいるという点がとても印象的でした。経団連は、企業の自主的な取組を基本として、多様な主体による連携、協力のもと、生物多様性の主流化に取り組むことが実効的と考えています。愛知目標達成年度である2020年に向けて今後も様々な取り組みがなされると思いますが、このような優れた取り組みが国内で実現していることは素晴らしいことであり、堂々と世界に発信できるのではないかと考えています」

公益財団法人国土緑化推進機構

公益財団法人国土緑化推進機構 副理事長 前田直登様

「この度は『三嶺の豊かな森を守る活動 特定非営利活動法人三嶺の自然を守る会』にグリーンウェイブ賞を贈呈いたしました。この団体で取り組んでおられる鹿の被害というのは単に四国だけの問題ではなく、日本全国が苦しんでいる問題でもあります。鹿の場合、樹木の皮まで食べてしまうので一部では崩壊が起こっており、国土保全のうえでも大変由々しき状態になっています。本団体は徳島県や徳島森林管理署などとの連携を取りながら、保護柵の設置やPR活動を行いながら、広く県民に普及啓発活動を行っており大変素晴らしい活動です。また、オーバーユース状態にある剣山の自然保護のために、マナー啓発活動など地道な活動を続け地域の自然環境保護に努めている点やそれを次世代繋いでいこうとする姿勢に敬意を表する次第であります。生物多様性を持続させていくこのような取組みは地域のモデルになると思います。今後ともぜひ地道な活動を続けて生物多様性保全が進んでいくことを祈念しております」

一般財団法人セブンーイレブン記念財団

一般財団法人セブンーイレブン記念財団 事務局長 星 劭様

受賞者の皆様おめでとうございます。一般財団法人セブン-イレブン記念財団は生物多様性アクション大賞の考え方や全国に広げようという熱意に感銘を受けて、スタートの時から支援させていただいております。今回2つの大臣賞が設置される形になったのも、ご応募くださった皆さんの取り組みが評価されたということだと思います。一般財団法人セブン-イレブン記念財団は店頭にあるレジ横の募金箱が原資となっています。その原資プラス、セブンイレブン・ジャパンからも資金を拠出するマッチングギフトとして財団が成り立っています。皆様から募金いただいた貴重なお金は助成金というかたちでNPOや自然保護団体などに拠出することで活動支援をさせていただいております。おかげさまで毎年20億円程度をお配りすることができています。皆様の活動はこれからの未来をつくっていく活動だと思いますので、産・学・官・地域と連携しながら、ぜひこの輪を全国に広げて、ご一緒にチャレンジを続けていただきたいと思います。本日はおめでとうございます」

生物多様性とSDGsについて、さかなクンと考えてみよう

さかなクン

授賞式の翌日、12月9日(土)にエコプロ2017環境とエネルギーの未来展会場に特設された「SDGsステージ」で、生物多様性アクション大賞アンバサダーのさかなクンと共演。今年は300名入る会場でスケールアップ! 会場は広くなりましたが、立ち見も出るほどの満員で、さかなクンによる「東京湾の旬のお魚を食べる」お魚クイズは大盛り上がりで、参加した子どもたちも楽しそうでした。環境大臣賞を受賞した、株式会社加藤建設の久坂耕さん、農林水産大臣賞を受賞した北九州・魚部の上野由里さんに活動内容を発表していただきました。後半はさかなクンと一緒にSDGsって何だろう? 生物多様性の関わりは? をテーマに、楽しくトークをしました。来場者の皆さんにはSDGsと生物多様性を分かりやすく理解してらえるステージになりました。

日本から世界に伝えよう!未来を創る5つのアクション

花も虫も鳥も獣も、そしてもちろん、わたしたち人も、あらゆる生きものは分ち難く結びついていて、自然という大きな循環と生命の環の中で生かされています。毎日の暮らしの中で「たべよう」「ふれよう」「つたえよう」「まもろう」「えらぼう」という5つのアクションを通じて生物多様性保全に取り組むことは、大きな視点で地球を感じ、自然と調和した暮らしの実現につながります。受賞された活動だけではなく、ご応募をいただいた全ての活動が私たちの社会をより良い方向に変えて行く大きな力になりますし、掛け替えのない宝物です。

今年も日本各地からたくさんのご応募をいただいた生物多様性アクション大賞2017。今年は小・中・高という学生を中心とした若い世代の活躍が目を引きました。素晴らしいプレゼンテーションに耳を傾けながら、2020年には生物多様性の損失が食い止められて、2050年には自然と共生した社会をつくろう、という生物多様性条約愛知目標の実現へ向けた動きが日本各地で成果を挙げつつあることを実感しました。この大きなうねりを日本から世界に発信するとどんな未来につながるのでしょう。今からワクワクせずにはいられません。

5つのアクションをわかりやすく伝えるために全国各地の事例を紹介しているウェブサイト「いきものぐらし」で今年入賞した活動を紹介しています。ぜひご覧ください。

日程:2017年12月8日(金)
時間:13:30–17:00 13:00受付開始
場所:東京ビックサイト 会議棟1階 101会議室

主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
共催:一般社団法人セブンーイレブン記念財団

授賞式レポート

いよいよ授賞式が始まります

そのアクション、実は「生物多様性」につながっていませんか?

生物多様性という言葉には、ちょっと難しいイメージがあるかもしれませんが、実は暮らしの中で何気ない行動が生物多様性につながっていることがたくさんあるのです。たとえば、地元で採れた季節の食材を味わうこと(たべよう)、海や山に出かけて自然に親しんだり、動物園や水族館で生きものとふれあったりすること(ふれよう)、美しい自然や生きものの姿を絵や写真で記録すること(つたえよう)、地域に残る伝統文化や自然を保存すること(まもろう)、環境に配慮した商品を選んで買うこと(えらぼう)。これら全てが生物多様性を豊かにするアクションです。

生物多様性アクション大賞は、生物多様性の主流化を目指して、「国連生物多様性の10年日本委員会」が推進する「MY行動宣言5つのアクション」に基づき、全国各地で行われている個人・団体の活動を表彰するものです。「たべよう部門」、「ふれよう部門」、「つたえよう部門」、「まもろう部門」、「えらぼう部門」の5部門で優秀賞を選定します。今年度から大賞に代えて環境大臣賞、農林水産大臣賞が新たに設置されました。授賞式当日に行われる優秀賞受賞者によるプレゼンテーションを経て大臣賞が選定されます。また2015年に国連加盟国全会一致で採択されたSDGs(2030年までの持続可能な開発目標)に貢献する団体を表彰するSDGs賞も新設されました。

今年はエコプロ会場での授賞式です

授賞式会場となる東京ビックサイトではおりしも「エコプロ2017環境とエネルギーの未来展」が開催されていました。その会場に、東北から九州まで日本各地から受賞者が集まってきました。少し緊張した面持ちの中で、早速、授賞式が始まります。受賞団体には審査委員や協賛企業のみなさまが務めるプレゼンター(左端)から表彰状と目録が贈られます。

たべよう部門優秀賞 石巻市立大原小学校

たべよう部門優秀賞
石巻市立大原小学校

ふれよう部門優秀賞 とくしま生物多様性リーダーチーム

ふれよう部門優秀賞
とくしま生物多様性リーダーチーム

つたえよう部門優秀賞 北九州・魚部

つたえよう部門優秀賞
北九州・魚部

まもろう部門優秀賞 株式会社加藤建設

まもろう部門優秀賞
株式会社加藤建設

えらぼう部門優秀賞 特定非営利活動法人つくしん棒

えらぼう部門優秀賞
特定非営利活動法人つくしん棒

復興支援賞 気仙沼市立大谷中学校

復興支援賞
気仙沼市立大谷中学校

グリーンウェイブ賞 特定非営利活動法人三嶺の自然を守る会

グリーンウェイブ賞
特定非営利活動法人三嶺の自然を守る会

セブン-イレブン記念財団賞 兵庫県立御影高等学校 環境科学部生物班

セブン-イレブン記念財団賞
兵庫県立御影高等学校 環境科学部生物班

SDGs賞 渋川小学校・滋賀の郷土料理学習実行委員会

SDGs賞
渋川小学校・滋賀の郷土料理学習実行委員会

審査委員賞

審査委員賞
(上列左から)
魚津三太郎倶楽部/特定非営利活動法人田んぼ/
山梨県立吉田高等学校放送部×富士山アウトドアミュージアム
(下列左から)
特定非営利活動法人大杉谷自然学校/一般社団法人くりはらツーリズムネットワーク
※みさを大豆研究班(授賞式当日はご欠席)


以上、各部門優秀賞5団体、特別賞4団体、審査委員賞5団体、計14団体全ての表彰が終了しました。受賞されました皆様、おめでとうございます。

大臣賞の発表

授賞式の後、特別賞、審査委員賞の受賞団体から、3枚の写真を使って3分間で活動を紹介するスリーピーストーク形式でのプレゼンテーションがありました。受賞者のみなさんも、日頃なかなか知ることのない他団体の活動には興味津々。それぞれの地域に根ざしたバリエーションある活動内容の豊かさに今年も多くの来場者が感銘を受けていました。そして、5部門優秀賞のみなさまからは自由形式で5分間の発表。このプレゼンテーションが最終審査の対象となり、農林水産大臣賞として1団体、環境大臣賞として1団体が選ばれます。それぞれにユニークで意義深い活動の発表だっただけに、審査委員も頭を悩ませました。そしてついに発表の時がやってきました!

農林水産大臣賞

農林水産大臣賞は、つたえよう部門優秀賞『魚部〜人物多様性をもとに、生物多様性を伝える活動(北九州・魚部)』でした。

農林水産大臣賞

農林水産省 技術会議事務局 研究総務官 大角亨様(写真右端)からのコメント
「本当におめでとうございます。北九州の高校の部活動から始まったと伺いましたが、今では活動が全国に広がっています。日本各地を巡りながら生物多様性に関する活動を行い、それを「ぎょぶる」という雑誌にまとめているという点に広がりと発展性を感じました。また、「ぎょぶる」という雑誌を拝見したところ、内容も編集面も充実していて見事だなと思います。この活動を続けて行くうえで、生きものに関する専門的な知識だけでなく、伝えるためのノウハウを必要とする部分が多々あるかと思います。本日の発表を拝聴していて、皆様とてもエネルギッシュだったので今後ともこの活動が発展していくことを強く期待しているところです」


受賞者の北九州・魚部のみなさまのコメント
「もう驚きで、感情が沸き上がって、今にも泣きそうです! 実は活動が新しくなって3年目なのですが、今までの取り組みがこうして評価していただけて本当によかったと思います。今回のことを糧にしてさらにがんばっていきたいと思います。ありがとうございました」

環境大臣賞

環境大臣賞は、まもろう部門優秀賞『エコミーティング〜建設業に置ける環境活動〜(株式会社加藤建設)』でした。

環境大臣賞

環境省 自然環境局長 亀澤怜治様(写真右端)からのコメント
「建設業が、その技術力を活かして自然を守るだけでなく回復することもできる、という熱い想いを感じました。社員一丸となって、発注者や地域の方と協力しながら、まさに地域ぐるみで取り組んでいらっしゃるる点が素晴らしいと思います。このような取り組みがモデルとなって他の企業にも広がっていくことを期待しています。今後も技術力を活かして活動を広げて行っていただければと思います。おめでとうございます」


受賞者の加藤建設のみなさまのコメント
「建設業、インフラ整備という分野は実はものづくりが大好きな人間が集まっています。でも、環境を破壊していると言われるのが物凄く悔しくて、できることから始めようと思い立って8年前から取り組んでいるのが、このエコミーティングです。皆さんに真似してもらえるように、お金をかけずに、負担にならないやり方で、日本の工事現場全てがエコミーティングをやっているよ、というところを目指して始めました。道は険しいもので道半ばですが、今回こうして環境大臣賞をいただいたことで、まだまだがんばれよ、と言っていただいたような気持ちです。日本中の工事現場がエコミーティングをするようになって、『建設業ってわりといい業界じゃない』と思ってもらえるようにがんばっていきたいと思います。本日はありがとうございました」

審査委員長総評

審査委員長

IUCN日本委員会会長 渡辺綱男 審査委員長

「どれくらいの応募が集まるかなと楽しみにしていたところ、116件という、大変たくさんの応募をいただきました。たべよう、ふれよう、つたえよう、まもろう、えらぼう、と各部門にわたっての応募がありましたし、活動の対象も森、里、川、海と色々な環境を対象としていて、活動主体も市民団体、学校、企業、と様々なセクターから、実に多様な活動の応募をしていただきました。とても素晴らしい応募をたくさんいただけたので、審査委員としては悩みながら真剣で白熱した議論を続け、各賞を受賞した団体が選ばれたという選考の経緯があります。 農林水産大臣賞を受賞された「北九州・魚部」は、2歳から80代まで約320人で構成されており、魚の専門家、農林漁業に従事されている方など人物にも多様性があります。高校の部活動から始まった活動が今では全国に広がりをみせているという点にも感銘を受けました。日本各地へ取材に出かけ「ぎょぶる」という雑誌を展開したり、展覧会に仕立てたりするなど、発信に対する活動姿勢も素晴らしい。魚や水生生物への情熱がこのような意義深い活動につながっており、更に活動が広がることを期待します。 環境大臣賞を受賞された「株式会社加藤建設」は、建設業なりに自然環境保全に貢献しよう、という想いから8年前に「エコミーティング」を開始。社内の色々な立場の人たちが「エコミーティング」に参加し、環境保全に向けたアイデアを出し合い実現していく。環境調査結果を地域へ共有しながら保全の為の配慮をひねり出し、発注者との厳しい交渉の末、実現させていくという企業姿勢は本当に素晴らしい。このチャレンジが全国に伝われば、社会を大きく変えていく力になるでしょう。 各賞を受賞されました皆様に改めてお祝い申し上げます。また、応募をいただいた全ての皆様にこの場を借りて感謝を致しますと共に、それぞれの活動が更に前に進んでいきますよう、ここに集まった会場の皆様と一緒に願って総評とさせていただきます」

関係団体の皆様からの応援メッセージ

結びに、生物多様性アクション大賞2017開催にあたり、お力添えいただいた企業や団体の皆様から応援メッセージをいただきました。

前田建設工業株式会社

前田建設工業株式会社 CSR・環境部 リーダー 渡辺千尋様

「受賞者の皆様、大変おめでとうございます。当社は現在、社員の生物多様性についての知識拡充を目的に、『生物多様性クイズ』という取り組みを展開しています。24日間に渡って約1000人の社員が挑戦しています。そこから社員同士の交流や、楽しい学びなどの広がりを感じておりますが、今回受賞者の皆様の活動を拝見して、昨年の『気づき』から一歩踏み込んだ、『楽しい学び』と『結びつき』がマッチしているものが多いと感じました。人と人との、また人と地域とのつながりなど、さまざまなものの『結びつき』には、新たな何かを生み出す大きなパワーがあるのだと改めて感じています。皆様の活動からうまれるこうした動きが全国に広がっていけば、生物多様性についての認識が広がり、自ずと一人ひとりのアクションにつながる、という時代がくると感じます。私たちも皆様と一緒にがんばっていきたいと思います」

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社 経営戦略部 環境経営グループ担当課長 能勢泰祐様

「各賞を受賞された皆様、おめでとうございます。セキスイハイムという名前で本大賞に協賛させていただきました。家をつくっているということで、生態系から多大な恩恵を受けている企業と言える私どもですが、同じ建設業である株式会社加藤建設様の受賞をうれしく思います。私ごとですが、京都府の北部出身で幼い頃はイノシシのごとく野山を駆け巡って育ち、生きものとふれあう機会に恵まれてきました。残念に思うことは、地域の人や先生の中にもっと虫や生きものについて詳しく教えてくれる方がいれば、都会に出ても虫が大好きでいられる人が育ったかもしれない、というのが率直な気持ちです。環境教育の大切さを強く感じています。今後も素晴らしい活動を続けていっていただけたらと思います」

経団連自然保護協議会

経団連自然保護協議会 事務局長代行 吉田一雄様

「経団連は1350社を越える会員企業から構成される経済団体ですが、そのうち約100社が生物多様性に関する活動に賛同し自然保護協議会が組織されています。様々なプロジェクトの支援、会員企業に対する情報提供や啓発活動などを主な活動としております。生物多様性への取組は、地域ごとに課題が異なる特色があるため、現場での実践活動を重視しています。本日拝聴したなかでは、多くの活動が、末永く続いていくように人材育成に力を注いでいるという点がとても印象的でした。経団連は、企業の自主的な取組を基本として、多様な主体による連携、協力のもと、生物多様性の主流化に取り組むことが実効的と考えています。愛知目標達成年度である2020年に向けて今後も様々な取り組みがなされると思いますが、このような優れた取り組みが国内で実現していることは素晴らしいことであり、堂々と世界に発信できるのではないかと考えています」

国土緑化推進機構

公益財団法人国土緑化推進機構 副理事長 前田直登様

「この度は『三嶺の豊かな森を守る活動 特定非営利活動法人三嶺の自然を守る会』にグリーンウェイブ賞を贈呈いたしました。この団体で取り組んでおられる鹿の被害というのは単に四国だけの問題ではなく、日本全国が苦しんでいる問題でもあります。鹿の場合、樹木の皮まで食べてしまうので一部では崩壊が起こっており、国土保全のうえでも大変由々しき状態になっています。本団体は徳島県や徳島森林管理署などとの連携を取りながら、保護柵の設置やPR活動を行いながら、広く県民に普及啓発活動を行っており大変素晴らしい活動です。また、オーバーユース状態にある剣山の自然保護のために、マナー啓発活動など地道な活動を続け地域の自然環境保護に努めている点やそれを次世代繋いでいこうとする姿勢に敬意を表する次第であります。生物多様性を持続させていくこのような取組みは地域のモデルになると思います。今後ともぜひ地道な活動を続けて生物多様性保全が進んでいくことを祈念しております」

一般財団法人セブン-イレブン記念財団

一般財団法人セブン-イレブン記念財団 事務局長 星 劭様

「受賞者の皆様おめでとうございます。一般財団法人セブン-イレブン記念財団は生物多様性アクション大賞の考え方や全国に広げようという熱意に感銘を受けて、スタートの時から支援させていただいております。今回2つの大臣賞が設置される形になったのも、ご応募くださった皆さんの取り組みが評価されたということだと思います。一般財団法人セブン-イレブン記念財団は店頭にあるレジ横の募金箱が原資となっています。その原資プラス、セブンイレブン・ジャパンからも資金を拠出するマッチングギフトとして財団が成り立っています。皆様から募金いただいた貴重なお金は助成金というかたちでNPOや自然保護団体などに拠出することで活動支援をさせていただいております。おかげさまで毎年20億円程度をお配りすることができています。皆様の活動はこれからの未来をつくっていく活動だと思いますので、産・学・官・地域と連携しながら、ぜひこの輪を全国に広げて、ご一緒にチャレンジを続けていただきたいと思います。本日はおめでとうございます」

生物多様性とSDGsについて、さかなクンと考えてみよう

さかなクン

授賞式の翌日、12月9日(土)にエコプロ2017環境とエネルギーの未来展会場に特設された「SDGsステージ」で、生物多様性アクション大賞アンバサダーのさかなクンと共演。今年は300名入る会場でスケールアップ! 会場は広くなりましたが、立ち見も出るほどの満員で、さかなクンによる「東京湾の旬のお魚を食べる」お魚クイズは大盛り上がりで、参加した子どもたちも楽しそうでした。環境大臣賞を受賞した、株式会社加藤建設の久坂耕さん、農林水産大臣賞を受賞した北九州・魚部の上野由里さんに活動内容を発表していただきました。後半はさかなクンと一緒にSDGsって何だろう? 生物多様性の関わりは? をテーマに、楽しくトークをしました。来場者の皆さんにはSDGsと生物多様性を分かりやすく理解してらえるステージになりました。

日本から世界に伝えよう!未来を創る5つのアクション

花も虫も鳥も獣も、そしてもちろん、わたしたち人も、あらゆる生きものは分ち難く結びついていて、自然という大きな循環と生命の環の中で生かされています。毎日の暮らしの中で「たべよう」「ふれよう」「つたえよう」「まもろう」「えらぼう」という5つのアクションを通じて生物多様性保全に取り組むことは、大きな視点で地球を感じ、自然と調和した暮らしの実現につながります。受賞された活動だけではなく、ご応募をいただいた全ての活動が私たちの社会をより良い方向に変えて行く大きな力になりますし、掛け替えのない宝物です。

今年も日本各地からたくさんのご応募をいただいた生物多様性アクション大賞2017。今年は小・中・高という学生を中心とした若い世代の活躍が目を引きました。素晴らしいプレゼンテーションに耳を傾けながら、2020年には生物多様性の損失が食い止められて、2050年には自然と共生した社会をつくろう、という生物多様性条約愛知目標の実現へ向けた動きが日本各地で成果を挙げつつあることを実感しました。この大きなうねりを日本から世界に発信するとどんな未来につながるのでしょう。今からワクワクせずにはいられません。

5つのアクションをわかりやすく伝えるために全国各地の事例を紹介しているウェブサイト「いきものぐらし」で今年入賞した活動を紹介しています。ぜひご覧ください。