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生物多様性5つのアクションたべようふれようつたえようまもろうえらぼう

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アエノコト

まるやま組

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能登の里山「まるやま」に今も息づく豊かな生物多様性と伝統的なくらしの知恵。毎月行っている生きもの調査と集落の農耕儀礼アエノコトをつなぎます。お米を食べてる人は誰でも生きものにありがとうを言っていいんです。

奥能登にはアエノコトという農家が田の神様に収穫の感謝と豊穣を願う農耕儀礼(ユネスコ無形文化遺産)があります。12月、家長が田んぼへ神様を迎えにいき、家に招き入れ風呂やご馳走でもてなし、翌年2月に田んぼに帰るまで休んでいただきます。各農家で人知れず静かに行なわれている祭礼で、その設えの中に季節ごとに自然からの恵みを得るための土地固有の知恵が凝縮されています。

同じ頃、まるやま組では、毎月の田んぼの生物モニタリング調査でわかった生物多様性を、稲の成長を助ける田の神様と見立てた少し趣向を変えたアエノコトを行ないます。
農家であるかないかに係わらず、お米を食べている人みんなで食の安心安全を願い、豊作に感謝する気持ちを表すものです。
まるやまで見つかった生きものの名前を全て記した「依り代」を手に、参加者全員で田んぼに向かい、思い思いに田の神様を呼び寄せます。掛け軸の代りに植物や水生昆虫の標本を設えたリビングルームに招き入れ感謝します。生物多様性という科学寄りな概念を日本の自然観のなかで読み替えることで係わりの間口を拡げています。

祭のご馳走は一年をかけて準備します。集落のお年寄りに習い、春や秋に山菜やきのこを塩漬けにし、二股の大根や畔豆の栽培、栗の箸等を作ります。集落のお年寄りが里山に目を向け、適切な時期や場所を知り、自然をいなすように管理する中で生まれた知恵を受け継ぐ場でもあります。

伝統と科学。一見相容れない二つの学びのテーマを「私たちのアエノコト」を通してつなぐことで、様々なバックグラウンドを持った人々があたかもひとつの家族のように、里山の価値に気付き始めています。非農家、消費者、都市生活者、外国人など今まで日本の里山や生物多様性について直接かかわりのなかった人も「ヒトゴト」から「ワガコト」へとすることで、食、農、自然、経済、学び、景観、文化などが日常の暮らしとつながってきています。