まもろう たべよう つたえよう えらぼう
英田上山棚田再生プロジェクト
NPO法人 英田上山棚田団(岡山県美作市)
過疎高齢化地域における耕作放棄地、放置山林、古民家などの再生に取り組んでいます。豊かな自然環境の基盤であり防災・文化面でも重要な棚田での都市交流活動を通じて新たな価値観の創出を行っています。
典型的な過疎高齢化と空洞化が進む地域において耕作放棄地、放置山林、古民家などの再創造に取り組んでいます。活動拠点である美作市上山地区にはかつて8300枚約100ヘクタールの棚田が広がっていましたが、高齢化と過疎化により棚田の荒廃が広がり、ササやクズが生い茂るなど荒廃が進む状況でした。
2007年より英田上山棚田団(2011年NPO法人化)が組織され、さらに2010年より都市部より移住した美作市地域おこし協力隊メンバーと地元住民らにより、棚田の再生に携わっています。
現在までに再生した面積は水田約2ha、梅植栽地約1ha、畑10ha程度であり、周辺山林の間伐なども含め徐々にかつての姿を取り戻しつつあります。棚田畦畔、林縁の草地がササ類・クズ等からチガヤに置き換わり、オミナエシ、スズサイコ、ツリガネニンジン、リンドウなど良好な草地生植物が増加しています。再生した水田では2013年度は無農薬栽培を実施するなど自然環境に負荷をかけない栽培法により、タガメ、コオイムシ、ミズカマキリなども徐々に生物相の多様化・復元が見られるようになりました。
棚田再生や棚田を利用した様々なイベントを通じた都市農村交流活動により、この4年間で延べ3500人の都市住民が上山を訪れ、主に水田の農業体験や棚田再生の活動に参加しています。近年では同様に棚田を有する過疎地対策に悩む台湾八煙集落やミャンマーのイエジン農業大学などを訪問し、国際的な交流活動も行っています。
生産物のメインである米は無農薬もしくは減農薬栽培による安全安心感、若い移住者と地元が進めている集落・棚田再生のストーリーの象徴、その志縁の中核を担うものとして「MERRY RICE」として販売しています。自然や生態系のみではなく棚田を維持管理する人間活動自体も持続可能とする商品として期待を集めています。
Ueyama merry shop
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