まもろう
青根の里山を未来遺産に
あざおね社中(神奈川県相模原市)
あざおね社中は、少子高齢・過疎の集落「青根」の休耕田を復活させ、水田を自然体験・生物多様性調査・ESDの拠点にする活動です。地元住民と協働して、青根の里地里山を未来に遺す共有財産として情報発信中です。
神奈川県相模原市緑区の集落「青根」は、横浜・川崎・相模原の水源です。青根の豊かな水は、里地里山の水源林・田畑・茅原・沢や渓流、そして道志川など多様な生態系の恵みです。しかし青根の生態系の多様性は、少子高齢・過疎の進行に伴う担い手不足により脅威に晒されています。
あざおね社中は、青根の休耕田を復活させた水田を拠点に、生物多様性の把握、環境学習・ESD(持続可能な開発のための教育)、環境まちづくりを目的とした麻布大学の学生・教員を中核に、多様な市民・若者が参加する市民団体です。主な活動は以下の通りです。
2013年より5年間の予定で、環境省の重要生態系監視地域モニタリング推進事業(モニ1000里地調査)の一般サイトとしてカヤネズミ、アカガエル、水環境、人為的インパクトの調査を実施中。この活動が評価され、平成25年度タカラ・ハーモニストファンドの活動助成を受けることができました。成果の一部は、世界共通のアイコンを活用した環境地図であるグリーンマップのアイコンを使った、「あおね里山グリーンマップ」にまとめて配布及びWebで発信しています。英語版も作成中。
拠点としている水田の田植えや稲刈りは、自然体験の機会として都市部の親子や高校生の参加も受け入れ、地元の住民や子どもとの交流の機会となっています。モニ1000里地調査も、可能な限り自然観察会として、地元や都市部の住民を受け入れて実施しています。
100年先まで遺すべき青根の自然や文化を地元住民と確認・共有し、外部に発信することで、3年以内に日本ユネスコ協会連盟の「未来遺産運動」登録を目指します。活動を通して、青根と都市部の交流人口と交流頻度が増加し、水源地の現状を学び行動すれば、定住人口は増加しなくても、青根の持続可能性は維持できるでしょう。
更新日:2015.12.01 ※記事の内容は投稿当時のものです