まもろう
美ら島エコ・リサーチ隊
中部農林高校 造園科、エコ・リサーチ部(沖縄県うるま市)
http://www.chubu-ah.open.ed.jp/
豊かな自然環境を守り引き継ぐため、陸と海のつながりについて研究しています。水田のもつ多様性、海洋への赤土土壌流出防止について産学官と連携で活動しています。高齢化、後継者不足の農家への一助も担います。
私たちはこれまで、地元の自然環境、文化、森、川、海とのつながり、里地里山について学んできました。森が豊かな海を育み、そこには様々な生物多様性が存在し、豊かな自然環境を形成していることや、水田が生物の生育環境を作り出していることを学びました。
学校周辺の自然環境を調べていくと、照間ビーグ(リュウキュウイ(藺草))といわれる琉球畳の生産が盛んな地域であったこともわかりました。照間ビーグは、150年以上の伝統を持つ上質な県産品で茎が太いので吸湿性が高く無農薬、泥染めもしないため環境にも人にも優しいといわれています。藺草の栽培される田んぼでは、様々な生きものが住み着き多様な生態系を形成しています。しかし、その豊かな里地里山も農家の高齢化とともに失われつつあります。
うるま市藺草生産組合員数は32名。実際に栽培している農家は28名です。このままでは、地域の伝統産業は滅亡してしまいます。そこで、地元の産業、自然環境を守るためできることはないか、藺草生産組合を訪ねました。するとまずは「体験してみる?」と言われビーグの刈り取りを体験させてもらいました。「100坪貸してあげるから、ここでビーグを育ててごらん」と言われビーグ栽培を始めた若い農家と共同で栽培することになりました。そのビーグを栽培する目の前には、広大な海が広がっていました。そこは、沖縄本島中部東側に位置する金武湾です。浅瀬に囲まれ波浪が穏やかなため古くから天然の良港として利用されてきました。
金武湾は昔「魚湧く湾」とも言われ、湾の南縁、北縁、中央部にはサンゴ礁が連なり、もずく生産量は全国一を誇ります。しかし近年、生活排水、赤土の流出などにより海洋汚染が進み、場所によっては悪臭も漂う状況です。地元の伝統ある産業、そして美ら島の青い海、豊かな自然環境、生物生態系を守るため、取り組んでいます。
更新日:2015.12.01 ※記事の内容は投稿当時のものです