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ICTを活用した絶滅危惧種シマフクロウの生息保全支援

富士通グループ

http://www.fujitsu.com/jp/about/environment/activities/japan/owl/index.html

富士通と日本野鳥の会で連携し、富士通の携帯電話で培った音声認識技術を応用したプログラムを活用し、シマフクロウの生息の有無や行動範囲把握のための調査を効率化しました。絶滅危惧種であるシマフクロウの保全に貢献しています。

シマフクロウは北海道東部に140羽程度生息しています。公益財団法人日本野鳥の会ではこの絶滅危惧種を保全するため、ICレコーダーを利用して生息の有無や行動圏の調査を2011年より実施しています。シマフクロウが生息していそうな地域の河川沿いに数100m間隔でICレコーダーを設置し、シマフクロウがよく鳴く夕方から数時間タイマー録音した数日分のICレコーダーを後日回収してきます。データの音声や音声波形を市販の音声再生ソフトを使って目や耳で確認し、シマクフロウの鳴き声を見つける作業を実施していました。しかしこの方法だと3時間分のデータを確認するまで早くても1時間程度かかり、件数が多くなると作業は膨大な労力と時間を要していました。

そこで富士通は、携帯電話で培った音声認識技術を応用したシマフクロウ音声認識プログラムを開発・提供しました(開発元:富士通九州ネットワークテクノロジーズ)。このプログラムは録音された音声データを入力とし、音声データの中からシマフクロウの音声のみ抽出し、そのスペクトルの表示・再生などを行います。この技術により、これまで1件の録音データの解析に1時間程度かかっていたものが、数分で解析を終了することができるようになりました。音声データ解析時間の大幅短縮によって、調査効率化と検出精度向上が実現し、調査地域や調査頻度の拡大も可能となりました。

この取り組みは「シマフクロウ生息地拡大に向けた環境整備計画」(環境省・林野庁2013年)に企業の取り組み事例として掲載され、国のシマフクロウ保護増殖事業計画の推進に貢献しました。またこれまで生息が確認されていなかった場所での生息確認や、新規個体の発見にもつながりました。現在はさらに音声検出精度を高めるべく、釧路市動物園と連携して、鳴き声が届く範囲の検証も進めています。この事例は、企業の技術と保全団体のノウハウを活かした、絶滅危惧種保全の協働事例といえます。