まもろう つたえよう
守れ!国蝶オオムラサキ!地域に育む保全の輪
大阪府立枚岡樟風高校 農と自然系列(大阪府東大阪市)
http://www.osaka-c.ed.jp/hiraokashofu/
地元生駒山に生息し、準絶滅危惧種に指定されている国蝶オオムラサキの保全活動に取り組んでいます。具体的には生態調査と地域への情報発信を行っています。地域全体で身近な自然を保全する機運を高めていきたいです。
学校近くの生駒山に生息する国蝶オオムラサキの保全を通して、地域に自然保全の輪を育み、地域全体で身近な自然を守る機運を高めようと、2010年より活動を行っています。具体的にはオオムラサキの生態調査と地域での活動です。
生態調査では、2010年から2013年にかけて、府民の森なるかわ園地周辺でオオムラサキの越冬幼虫のモニタリング調査を行い、個体数が減少傾向にあることを突きとめました。原因を追究したところ、調査地では2011年から2013年にかけてマイマイガと呼ばれるガの大発生が起こっており、その影響が可能性として考えられました。
また、調査を続ける中で、登山道沿いなどではオオムラサキの食草であるエノキの落ち葉が撤去され、オオムラサキの越冬環境が失われていることが判明しました。私たちは人為的影響による減少理由を知り、この点を改善することで、オオムラサキの生息数を回復させようと考えています。具体的にはオオムラサキが越冬する前に、エノキの落ち葉をリターバックと呼ばれる網の袋で固定し、オオムラサキの越冬環境を確保する。管理団体である大阪府みどり公社や枚岡公園管理事務所にも連携を求め、この冬に実施する予定です。
地域では、幼稚園での環境教育、老人ホームや商店街での成虫のお披露目会、関連商品を用いた普及活動を行っています。幼稚園ではオオムラサキと自然保全をテーマにした演劇などにも取り組み、好評を得るとともに、園児が蝶の名前を覚えるという成果も出ています。商店街でのアンケートでは88%の方が保全に賛同して下さいました。また、関連商品として開発している乳酸菌飲料「オオムラピース」は大変人気があり、現在はオオムラサキ成虫のエサである樹液から採集した乳酸菌を用いてブランド化するなど、学校独自の商品として改良を続けています。
私たちはこれらの活動を通して、オオムラサキだけではなく、身近な生物多様性の保全に貢献していきたいと考えています。
更新日:2014.11.14 ※記事の内容は投稿当時のものです