まもろう
カヤネズミの住むカヤ原復活プロジェクト
全国カヤネズミ・ネットワーク(京都府京都市)
国内各地で絶滅が危惧されるカヤネズミの国内有数の生息地の一つである京都の桂川において、生息地である茅原(オギ・ヨシ・ススキなどの草地)の保全を継続的に行い、生物の多様性豊かな茅原を次世代につなぎます。
茅原をおもな生息地とするカヤネズミは、良好な河川や草地環境の指標種とされています。しかし近年、河川改修や開発などによって草地の面積が減ったことや、外来植物が増えたことなどにより、絶滅の危機に直面しています。現在、カヤネズミは、本種が生息する都府県の8割の地域のレッドデータブックに掲載されるほどに個体数が減っています。
本会の活動場所である桂川の茅原には、カヤネズミが営巣に好んで利用するオギが多く、貴重な生息地となっていますが、2013年に河川改修で生息地のオギ原が失われることになりました。そこで、河川管理者の国土交通省と協力して、カヤネズミに影響の少ない工事の方法を検討・提案し、さらに、工事区画にオギの根茎を移植して、オギ原を復活させました。再生したオギ原には、カヤネズミが戻り、繁殖も確認できました。現在、再生したオギ原で、以下の活動に取り組んでいます。
茅原(オギ原)の保全を行っています。地域の自然保護団体と協力して、オギ原にふえつつある外来種を刈り取り、駆除しています。今後、オギの回復が十分でない場所には、オギの穂の移植も予定しています。植生調査とカヤネズミの生息調査(モニタリング)を実施。オギ原の回復状況を確認するために、月1回の植生調査と、月2回のカヤネズミの生息調査を行っています。
地域の子ども達や希望者を対象とした、生きもの観察会や体験ツアーの開催しています。将来にわたって、カヤネズミのすむオギ原を保全するためには、多くの人に保全活動に参加して貰うことが重要となります。そこで、まずは参加者に興味や関心を持って貰い、保全への理解を深めることを目的として、茅原で生きものを観察したり、茅原の中に実際に入ってみる体験ツアーを開催しています。
更新日:2015.12.01 ※記事の内容は投稿当時のものです