まもろう
南部太ネギで地域を元気に
青森県立名久井農業高等学校 伝統野菜班(青森県三戸郡南部町)
絶滅寸前の伝統野菜「南部太ネギ」の栽培を地域一体となって復活させました。メニュー化、イベント開催等を図りながらその魅力を積極的に発信し、地域活性化へとつなげた活動です。
私達が住む青森県南部町には南部太ネギという伝統野菜があります。甘くて軟らかく、耐寒性・多収性にも優れており、かつては県内外で盛んに栽培されてきた品種ですが、現在絶滅の危機を迎えています。そこで、南部太ネギの復活を図り地域活性を図ることにしました。
南部太ネギの特性上、土寄せ栽培ができないため、土寄せを行わなくてもよい栽培方法として縦穴法と横板法に着目して栽培試験を行いました。
1本当たりの重量及び10a当たりの収量ともに縦穴法が優れていました。また、労働時間の比較では縦穴法と土寄せ栽培では、30時間短縮できました。自家採種をするため宮城県渡辺採種場瀬峰研究農場を訪問し、効率の良い種採り方法を習得しました。
食品成分分析の結果、南部太ネギと一般品種の比較では糖質1.6倍など、ほとんどの成分で一般品種より優れていました。そこで、これらの結果をもとに地域農家との懇談会を持ち、形態特性や栽培上の注意点・販売上のメリット等を伝え、生産者を募りました。栽培農家数は平成23年度1戸から、26年度に11戸になり、生産量も平成23年度0.5tから平成26年度35tと右肩上がりの増加となりました。さらに、南部太ネギの安全生産を図るため栽培農家を対象に定期的に技術交流及び意見交換を持ちました。
ネギを初めて栽培する農家への講習会も兼ねることにし、本校で育苗した5800本の苗を栽培農家へ引き渡しました。
このような、活動が認められ新宿伊勢丹、高島屋での販売が実現しました。当日はたくさん方々に南部太ネギを買い求めて頂くことができました。伝統野菜の魅力を訴えることで南部太ネギが育つ南部町の魅力なども伝えることができました。
更新日:2015.11.06 ※記事の内容は投稿当時のものです