まもろう
OKEON 美ら森プロジェクト
沖縄科学技術大学院大学(OIST)(沖縄県国頭郡)
『OKEON美ら森プロジェクト』は、沖縄における、持続的な自然環境共生型社会の実現に貢献するため、沖縄の陸域環境観測網の構築と、地域社会ネットワークの形成、そしてそれらを利活用した協働体制を整備します。
『OKEON美ら森プロジェクト』では、「沖縄の陸域環境観測網の構築」と、「沖縄内外の団体や個人の協働ネットワークの醸成」の2つを柱に活動をしています。
沖縄の陸域環境観測網の構築は、沖縄の陸域自然環境を科学的データに基づいて研究し、沖縄の豊かな生物多様性の保全に役立てることが目的です。沖縄本島の北から南までに24ヶ所の調査区(半径100mの円形)を設置し、複合的な環境調査を通年で実施、調査区に積み上げることで沖縄の自然環境を面的かつ動的に捉えます。昆虫調査は、各調査区に小型飛翔性昆虫用捕獲器を3基ずつ設置し、通年で2週間毎にボトルを回収、得られたサンプルは未来への基礎資料として保管します。気象観測は、各調査区内に小型気象観測装置を設置。詳細かつ局地的な気象データを蓄積。音声調査は、音声により、その地域の動物相や、それに対する人為的な影響を解析することが目標です。カメラトラップは、哺乳類などの分布や活動を明らかにします。こうした各調査データは、各方面で利活用してもらえるよう、Web公開システムを準備中です。
協働ネットワークの醸成は、研究機関間の研究協力はもちろん、地元高校や博物館との連携や、その他、本島で活動している個人や団体との地域環境教育ネットワークが含まれます。一例として、地元高校と連携し、高校の先生方を対象に、アリ類を使った環境調査法を提案。参加各高校の指導教員が自ら研究実践指導を行い、発展できるよう、その計画、実践における助言や助力を提供します。そのかわりに、研究終了時にプロジェクトへ標本を寄贈してもらいます。それぞれの協働体制に共通するのは、それぞれの自律的な取り組みを補完しあったり、プロジェクトがハブとなり連携先間にネットワークを構築したりと、相利的で自律的、かつ持続可能な関係を目指している点です。
更新日:2016.12.21 ※記事の内容は投稿当時のものです