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日光白根山のシラネアオイ群落の保護・復元活動

群馬県立尾瀬高等学校自然環境科

http://www.nc.oze-hs.gsn.ed.jp/

日光白根山のシラネアオイ群落は近年個体数が増加したシカの食害のために絶滅の危機に瀕しています。尾瀬高等学校自然環境科では地元住民とともにその保護・復元に二十年来取り組んでいます。

シラネアオイ(Glaucidium palmatum)は、日光白根山に多く自生していることから名付けられた、紫色の花を咲かせる植物です。キンポウゲ科シラネアオイ属の1属1種の日本固有種の植物で、群馬県が作成したレッドリストでは、準絶滅危惧種に指定されています。

日光白根山中腹にある弥陀ヶ池の西側斜面には、かつて見事なシラネアオイの群落が見られましたが、1985年頃から、盗掘やシカの食害により、群落は壊滅状態に陥りました。このような状況から1993年以降より、シラネアオイの群落の保護のために、日光白根山のある片品村と群馬県、地元住民有志によるシラネアオイの苗作りと、自生地への電気柵の設置が取り組まれています。

1996年に設立された尾瀬高校自然環境科は設立当初から授業の一環としてこの活動に加わり、2000年より「シラネアオイを守る会」とともに日光白根山のシラネアオイ群落の保護・復元に成果を上げています。自然環境科では、生徒が3年間で一連の保護復元活動に携われるカリキュラムを編成しています。3年生は毎年9月中旬に日光白根山弥陀ヶ池の自生地でシラネアオイの果実を採集し、1年生が10月中旬に果実から取り出した種子を、シラネアオイを守る会の主体である片品村東小川地区の住民と共に、地区内の圃場(ほじょう:農産物を育てる場所)に播種、翌年6月下旬に2年生が4~5年かけて育成した苗を日光白根山の自生地へ移植するとともに、現地での開花状況の調査・記録を行います。

シラネアオイの移植と果実の採集活動の際には、「シラネアオイを守る会」の会員と尾瀬高校自然環境科の生徒だけでなく、土地の所有者である日本製紙グループの社員や一般のボランティアも加わり、一緒に作業をしています。学校外の社会人とともに作業をしながら、それぞれ人が持つ、シラネアオイの保護復元活動への思いを聞き出すことは、生徒が、活動の社会的意義や自然保護の認識するを深めるきっかけとなるとともに、各生徒の地域への貢献意識を高める上で、貴重な体験となっています。