まもろう ふれよう つたえよう
人工雪スキー場のゲレンデを利用した草地環境の生物多様性回復
一般社団法人 山岳環境研究所(長野県北安曇郡)
里山に接するエリアの人工雪スキー場施設を利用して、草地環境の再生を中心に生物多様性の回復の試みを続け、昆虫類から鳥類や大型哺乳類に至る利用繁殖が確認されるまでの成果を上げてきました。
長野県佐久市にある佐久平尾山公園パラダにおいて、2006年から「虫の牧場」というコンセプトに基づいて、ゲレンデの草地環境の生物多様性回復プログラムに着手しています。2007年からは佐久市癒しの森として設置された森林セラピーロード周辺の森林整備も含めた取り組みも進めてきています。
環境回復にあたっては、生物多様性の3つのレベルの内、特に遺伝子の多様性保全に対する配慮(移入による遺伝子汚染の防止など)から、蜜源や食草として地元の野生種の他に生態的地位が同じ園芸植物も利用する「代替型ビオトープ」の考え方に基づいて植栽・管理計画を組み立てています。
また、多様な生きものの住処を創出するために、「フラクタル植栽」の手法で景観を整え、自然風の庭園に仕上げています。また、シカの好む地元の野生植物や忌避植物を組み合せて里山のバッファゾーンとしての機能やカヤネズミ生息地の回復育成なども成果を上げつつあります。
更新日:2014.11.14 ※記事の内容は投稿当時のものです