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コミュニティ農園「まごころの郷」での自然と共存した被災地復興支援
NPO法人 遠野まごころネット(岩手県遠野市)
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町。山間の自然に囲まれた農園で無農薬ハーブを生産し、商品に加工・販売することで、自然と共存した第六次産業を生み、震災からの復興を目指します。
2011年3月11日の東日本大震災の発生から、3年半が経過しようとしています。岩手県沿岸被災地は、いまだ復興したとは言えません。生活再建の格差が問題となっており、特に社会的弱者の支援が重要です。私たち遠野まごころネットは、被災された皆さんが気軽に集い、それぞれのペースで働けるよう、岩手県大槌町でコミュニティ農園「まごころの郷」を運営してきました。応急仮設住宅のそば、山間の自然に囲まれた「まごころの郷」では、地域のみなさんのためのハーブガーデンを整備しています。
主な活動は無農薬でのハーブ栽培です。ハーブを生産するだけでなく、商品に加工し、販売するという、自然と共存した第六次産業を立ち上げています。生産されたハーブの商品加工は、被災障がい者施設「まごころ就労支援センター」で行うことにより、新たな雇用を生んでいます。「まごころの郷」はただの農園ではなく、山と川に囲まれた環境を生かし、子どもたちを対象とした自然教室も開催しています。ハーブ畑の隣の「大槌たすけあいセンター」は、ハーブなどの加工し、食品や手芸品を生産することを通じてさらなる雇用を創出するための複合コミュニティ施設ですが、風力発電で電力をまかなっており、有事の際は電力が確保された避難所にもなります。
この春には釜石市にも「まごころの郷」を開設しました。こちらは使用されなくなった砕石の空き地に山土を入れて再生し、水はけの良さを生かすことで、ブドウの栽培を行っています。被災された皆さんが気軽に集い、働けるよう、数年後にはソーシャル・ワイナリーとする予定です。東日本大震災で再認識した自然への畏敬の念を忘れることなく、自然と共存した持続可能な新たなコミュニティ・なりわいをつくり、地域を振興し、復興につなげることが、「まごころの郷」事業の目的です。
更新日:2014.11.14 ※記事の内容は投稿当時のものです