たべよう　

植物と人々の博物館

特定非営利活動法人自然文化誌研究会（東京都日野市）

http://www2.plala.or.jp/npo-inch/

秩父多摩甲斐国立公園の山村社会持続のために、農耕文化基本複合を調査研究し、生物文化多様性の保全活動を実践。在来品種による食品開発で地域経済を再構築し、環境学習による風土産業創りを行っています。

自然文化誌研究会は秩父多摩甲斐国立公園内の山村で、約40年にわたって環境学習の場としてエコミュージアム創りを続けてきました。

最近の15年は、山梨県小菅村に本拠地を置いて、エコミュージアム日本村（トランジション小菅）による山村持続活動を小菅村民と多摩川流域市民とともに実践。イギリスの王立植物園キューを参考に展示の整備を進めてきました。小菅村の民具に加えて海外からも植物製民具や図書を多数収集し、生物文化多様性を学ぶ素材としています。農耕文化基本複合（たねから胃袋まで）の素材である在来品種の種子を1972年以来、収集・保存、栽培・加工・調理・食文化なども合わせて調査研究し、生物文化多様性の保全活動を実践してきました。

ちなみにこの地域は穀菜食による健康長寿で世界に知られていました。日本人の心の源郷である山村は過疎・高齢化に瀕し、里と奥山の緩衝地帯であった里山がやせ細り、野生動物は容赦なく里に下りてきて高齢者の自給農耕地を食い荒らしているのが現状です。猟友会も高齢化で害獣駆除もままなりません。山村社会の持続のために、ローカルシード・バンクをトランジション・タウン藤野と共同設置。雑穀や野菜の在来品種を保存し、栽培試験・見本園を運営しています。これらを素材にして郷土食を継承するとともに、村人ともに新たな食品開発も行っています。

道の駅小菅物産館では各種食品が観光客ほか向けに販売され地域経済に貢献しています。同博物館は農耕文化基本複合を基礎学習プログラムとした『E LF環境学習過程』に基づき、都市民向けに食農学習を大切にした野外活動を継続してきました。「のびとCONE+」研修会を行い、伝統的な知恵に基づく生物文化多様性を普及啓発する指導者養成しています。日本村塾では環境学の専門性を深め、家族自給農耕、扶桑こく、民族植物学による環境学習を進め、山村社会の持続と復元力への希望を探っています。

更新日：2015.11.06　　※記事の内容は投稿当時のものです