たべよう ふれよう つたえよう まもろう
美味しい!楽しい!ためになる!We♥中海
認定NPO法人自然再生センター(島根県松江市)
子ども達や地域の方々と中海に「触れる」・中海の恵みを「味わう」ことで、私達が守るべき生きもののサイクルや自然と人との関わりを伝えていく活動です。地域住民に愛され、守られる中海を取り戻すために行います。
島根・鳥取両県にまたがる中海は、ラムサール条約にも登録されている海水と淡水両方の生きものが暮らす貴重な汽水湖です。中海に繁茂する海藻は中海の生態系に必要不可欠なもので、昭和30年代までは、住民が刈り取って寒天の材料としたり、有機肥料として畑に撒くことで上手く資源を循環させていました。
しかし、農薬や浚渫などの影響で、中海の海藻は激減し、海藻を利用することもなくなりました。ここ数年再び中海の透明度が上がり、海藻が繁茂してきましたが、放置したことにより湖底で腐敗し、生きものに悪影響を与えています。
そこで、私たちは中海を「恵みの宝庫」として住民から愛され、地域の生活に深く関わる存在として蘇らせるために「We♥中海」を始めました。この活動は2012年から行い、昨秋は、小学生・地域住民の方々を対象に地元漁協の協力で、中海の海藻を刈り取る体験と、その海藻を肥料として育ったサツマイモを収穫する体験、そして海藻や海藻肥料で育った野菜を味わう体験を一連の活動として行いました。
海藻の刈り採りは、漁師さんと漁船で中海へ乗り出し、生態系を考慮しながら伝統的な手法で行います。刈り取った海藻の中には食用の海藻(オゴノリ)も含まれています。
また、海藻を棲み家とするたくさんの生きものに触れ、中海の生態を身近に感じられます。中海から戻ると、すぐそばの農家の畑で、海藻肥料で育ったサツマイモを収穫します。作物はすくすくと丈夫に育ち、改良された土は触るとフカフカで気持ちが良いと好評でした。そして地元公民館の方が中海で採れたオゴノリや、海藻肥料で育ったサツマイモで作ったミニ弁当を畑の上で味わいます。子ども達を含む若い世代が、昔の中海を知る世代に話を聞きながら一緒になって取り組みました。参加者からは「地域の人・水・土に育てられた【中海の恵み】だからこそ、安心して美味しく食べられる」との声をいただきました。
更新日:2014.10.23 ※記事の内容は投稿当時のものです