ふれよう
あつまれ、浜わらす!
シャンティ国際ボランティア会 気仙沼事務所(宮城県気仙沼市)
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津波発生以来、疎遠になっている海と子ども達の関係を取り戻すための自然体験活動です。活動を通じて海や自然の素晴らしさや楽しさ、恐ろしさや畏敬の気持ちを持てるようになるための機会を提供しています。
「やったぁー、浮かんだ!」子ども達の歓声が波打ち際に響きます。夏の海、宮城県気仙沼市の小学生19人が海岸に集まり、手作りいかだで海に漕ぎ出しました。「あつまれ、浜わらす!」は2011年の津波発生以来、疎遠になっている海と子ども達の関係を取り戻すための自然体験活動です。子ども達が海や自然での体験を通じて、自然の素晴らしさや楽しさ、恐ろしさや畏敬の気持ちを持てるようになるために様々な体験の機会を2013年から提供してきました。
11回目のテーマは、「ぷかぷかいかだ体験」。いかだ作りを通じて竹やペットボトル、自分の体がどうしたら海面に浮かぶのかを体感するのが目的です。まずは、漁師や地域の大人から竹の切り方やロープの結び方を教わりながら、いかだ作りに挑戦。指をささくれだらけにしながら、いかだを組みあげました。そして当日、ドキドキしながら海へと向かい、いかだに乗り込んでいざ海へ!!子ども達は小さな航海を楽しみました。兄弟で参加した男の子の感想文には、「そうだ、ぼくは海の男になれた気がして、いかだが浮いた時うれしかったんだ。浜わらすへの参加で、いくつもの分からない体験をして、あの広い海でぼくは『小さな、小さな 海の男』になれたのです。」と書かれてた、とお母さんが笑顔で教えてくれました。
また、去年冬に実施した鮭網体験では小学2年生の女の子が、「将来は漁師になりたい!」と地元の新聞取材に誇らしげに応えていました。保護者からは「あの日のことを思い出してしまって私はまだ海には行けない。子どもの方がしっかりしているのかな・・・」という声も。親の方が、震災後に海と向き合えていないのかもしれません。
今後のプログラムでは、子ども達はお年寄りや障がいのある方、外国人など、地域の様々な人たちと交流しながら「みんなのツリーハウス」を作る予定です。子どもだけでなく大人も、この地の豊かな自然や人と触れ合いながら、再び海と向き合う居場所と時間を作る。そのきっかけになれば、新しい気仙沼の、そして子ども達の未来につながると信じて活動しています。
更新日:2015.12.01 ※記事の内容は投稿当時のものです