ふれよう まもろう
知ろう伝えよう外来生物のこと
石垣市立伊原間中学校(沖縄県石垣市)
石垣市立伊原間中学校では毎年1年生を対象に、島内で問題となっている特定外来生物のオオヒキガエルを教材として、生物実験を含む環境教育プログラムを実施。生物多様性保全への理解と関心を高めています。
石垣市立伊原間中学校では、過去5年間継続して1年生を対象に、島内で繁殖し問題となっている特定外来生物オオヒキガエルを教材に環境学習の授業を行っています。講師として環境省のレンジャー、地元自然ガイド等をゲストティーチャーとして起用しています。
授業はこのような4つのプログラムを基本としています。
(1)外来生物って何だろう?
(2)オオヒキガエル胃内容物調査
(3)外来生物会議
(4)伝えよう外来生物のこと(小学校へ出前授業)
1回目の授業では基礎的な知識の講義を行います。外来生物とは?生態系の仕組みはどうなっているのか?外来生物が環境に与える問題とは?といった内容で生徒が興味を持つように、ゲーム形式で楽しみながら学べるように工夫しています。
2回目の授業では、あらかじめ学校周辺で捕獲して冷凍保存しておいたオオヒキガエルを解剖し、胃内容物の調査を行います。元々サトウキビの害虫であるアオドウガネの駆除目的で持ち込まれた中南米原産のオオヒキガエル。島内の様々な場所で捕獲されたカエルを解剖すると、実際、オオヒキガエルが身の回りにいるあらゆる小動物を食べていることが分かります。
3回目の授業では、架空の島を舞台に、害虫駆除の目的で外来生物を導入することについての話し合いを行います。農薬を使わずに害虫を駆除できるが、島の生態系に影響を与えるかも知れません。立場によって考え方、優先するべきことが異なり、実際の外来生物問題が複雑で難しいことを生徒に感じてもらいます。
4回目の授業では、地元小学校に出向き、中学生が先生となって外来生物の授業を行います。授業内容を考え準備する過程で、これまで学んできた外来生物問題について頭の中で整理し、また小学生低学年にもわかるよう、クイズ形式や寸劇など、分かりやすく要点を伝える工夫が要求されます。
更新日:2014.10.10 ※記事の内容は投稿当時のものです