つたえよう
国の天然記念物「イタセンパラ」を地域の宝に!
愛知県立木曽川高等学校 総合実務部(愛知県一宮市)
私たちの地域に生息する淡水魚「イタセンパラ」は、国の天然記念物であり、絶滅危惧種IA類に登録されています。地域の宝を多くの人たちに知ってもらい、一緒に保護活動をおこなうことを目標にして広報活動をおこなっています。
正木小学校で「イタセンパラかるた大会」をおこなっている様子。
愛知県の北西部(岐阜県との県境)を流れる木曽川は、木曽川高校の西側を流れています。国の天然記念物で絶滅危惧種IA類の淡水魚であるイタセンパラは、この木曽川の限られた場所に生息しています。 総合実務部では、木曽川のイタセンパラを地域の宝にするために「高校生の私たちにできることは何か?」と模索しながら保護に繋がる活動をおこなっています。絶滅危惧種の取り扱いには制約があり、繁殖等の活動ができません。地域の若い世代の人たちは、イタセンパラの存在すら知りません。そこで、私たちは地域の人たちに、イタセンパラの現状を正しく知ってもらうための広報活動と生息地の清掃活動をおこなっています。
昨年度、小学生を対象にした「イタセンパラかるた」を制作しました。これは、次世代を担う小学生にイタセンパラの特徴や現状、外来生物や環境問題等について、「楽しく」「正しく」学んでもらうための道具です。様々な年代の人たちが、語り合えるよう、かるたに色々な工夫を凝らしました。読み札では、わかりやすい言葉を使い、音読して楽しいリズムになるように文字数を考えました。また、絵札は、本校の美術部に依頼し、イタセンパラの特徴を押さえ、細部にまでこだわった楽しい絵となっています。
その後、「イタセンパラかるた大会」を岐阜県羽島市立正木小学校の5年生、約140名を対象に開催しました。この小学校は、木曽川の対岸にあり、イタセンパラについての調べ学習もおこなっています。かるた大会では、ゲームに熱中する姿、絵札を楽しそうに眺める姿、読み札に関心を持ち口ずさむ子どもたちの姿が見受けられました。大会後のアンケート調査では、子どもたちの満足度は9割を超えていました。子どもたちが、私たちのイタセンパラへの思いを家族や友達に発信してくれることを期待しています。
私たちは、今後も地域の人たちのイタセンパラに対する認知度を高め、一緒に保護活動をおこなうための広報活動を続け、地域の宝であるイタセンパラの保護活動を続けていきます。
かるたの絵札と読み札には、私たちの思いが込められています。
更新日:2018.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです