つたえよう
生物多様性保全
特定非営利活動法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン(東京都品川区)
ボルネオ島での野生生物保全活動に取り組みながら、パーム油を取り巻く環境についての教育活動を日本で行っています。専門書の発行やワークショップでパーム油を通して地球の環境問題を考える取組みを広めています。
ボルネオ保全トラスト・ジャパンは主にボルネオ島での野生生物保全活動に取り組んでいますが、同様に日本での環境教育・啓蒙活動も重要な活動として取り組んでいます。
ボルネオ島で熱帯雨林が減少している主な理由はアブラヤシのプランテーションが急激に拡大しているためです。そのアブラヤシから採れるパーム油は日本人の生活を豊かにするために食品や化粧品、洗剤に使われているのですが、その事実はあまり日本で知られていません。自分たちが無意識のうちに使っているパーム油が、実はボルネオ島の熱帯雨林伐採の原因であり、オランウータンやボルネオゾウといった多くの野生動物の住み家を奪う原因となっているのです。
私たちはこの事実をみなさんに知っていただき、パーム油を通して環境問題を真剣に考えていただきたいと思っています。日本には、パーム油で魚を揚げたりする食文化はありませんし、食品表示に「パーム油」と記載しなければならない法律もありません。そのため、パーム油の存在は希薄です。また名前は知っていたとしても、製造方法やパーム油の生産が引き起こす環境破壊問題についてはさらに知られていません。私たちは毎年「パーム油白書」という日本で唯一の白書を発行してパーム油業界の現状とパーム油が引き起こす環境問題について啓蒙活動に努めているほか、講演会やワークショップを通じてパーム油と日本人の暮らしとの関係をみなさまにお伝えしています。情報を提供することで皆様に世界の環境危機を知っていただき、未来のため、次世代の子どもたちのために行動を起こしていただきたいと思っています。
また動物園や植物園と連携して、ゾウやオランウータンという日本人にとても身近な動物たちを接点に、パーム油を大量に生産したために動物たちの故郷がどんな状態にあるのか、未来の地球環境に向けて自分たちができることは何か、といった問題を市民の皆様に考えていただく場を提供しています。
更新日:2014.11.14 ※記事の内容は投稿当時のものです