つたえよう
生物や文化の多様性を体感するワークショップ「宇宙箱舟ワークショップ」
宇宙箱舟製作委員会(京都府京都市)
http://www.usss.kyoto-u.ac.jp/hakobune/
「宇宙に引っ越しするなら、どんな動物つれていく?」こんな問いから始まり、生物多様性、文化の多様性に関する様々な科学的、社会的課題を子どもから大人までが楽しみながら考えるのが宇宙箱舟ワークショップです。
「宇宙箱舟ワークショップ」は、京都市内の小・中・高等学校の先生、大学教職員や学生が共同で開発を進めてきたワークショッププログラムです。
小学生向け、中学生以上向けの2パターンのプログラムが用意されており、小学生から大人まで幅広い年齢層が楽しむことができます。2010年秋から開発を始め、2011年2月に京都大学総合博物館で開催された「小惑星探査機『はやぶさ』帰還カプセル特別公開」関連イベントとして試行プログラムを実施し、2011年3月からはツールキット『宇宙箱舟ワークショップブック』の無料配布を開始しました。
このワークショップは、4〜6人のグループを作り、メンバー同士で話し合いながら進めます。地球以外の惑星へ引っ越すという状況を想定し、箱舟に乗せる生きものを選びます。つまり、自分たちだけの生態系をデザインすることを試みます。限られた大きさの宇宙箱舟で連れていくことのできる生きもののベストな組み合わせが何かは誰にも分かりません。しかし、みんなで宇宙箱舟を考えてみると、生きもののつながりや地球環境の大切さに気付くことができます。
現在までに、大学教職員による小中高等学校への出前授業、博物館や科学館での科学フェスティバルやサイエンスカフェといった機会を利用して、宇宙箱舟製作委員会メンバーが数多くの実践を行ってきました。
それだけでなく、たつの市教育委員会主催の教員の初任者研修や京都府教育委員会主催の理科教員向け研修会で活用されるなど、学校教員を通じて、より多くの児童・生徒の元に本プログラムが届くような試みも行ってきました。
京都市内のある中学校では、全クラスでこの宇宙箱舟ワークショップを用いた授業が展開されています。現在は、プログラムの進行マニュアルの改訂を進めるなど、開発者以外の人々が実践しやすいワークショップツール作りを目指しています。
更新日:2014.11.14 ※記事の内容は投稿当時のものです