つたえよう
火の河原の里山の魅力発信
カエルPROJECT(鹿児島県鹿児島市)
ギリギリ鹿児島市の山奥にある「火の河原」という里山で、ここに住む生きものたちの調査や里山の楽しみ方の提案を行っています。休耕田を借りて田んぼも作り、YouTubeでカエル子の田んぼ奮闘記も開始しました!
火の河原は、鹿児島市のはずれにある里山です。ここは、最近世界遺産になった「尚古(しょうこ)集成館」に鉄を運ぶためのたたら場だったそうです。鉄を精製するときにそれらが溶ける様子が火の川のようであったことから、この地名がつけられた、と伝えられています。住民の平均年齢は80歳以上……。かなり限界の集落ですが、とても魅力的な環境が残る里山です。カエルPROJECTは、2013年に、このユニークな歴史を持つ里山をなんとか維持できないものかと思い、活動を始めました。
火の河原は、2014年に鹿児島市の自然百選に選定されました。2015年、2016年と鹿児島市環境保全課と一緒に、ここに住む生きものの調査を行い、植物104科282種、その他動物も約200種が確認されました。中でもカヤネズミは鹿児島市では初記録で、昆虫では、天然記念物のカワゴケソウを食草とするカワゴケミズメイガも二頭捕獲されました。過去には、絶滅危惧種に指定されているコガタノゲンゴロウ、シマゲンゴロウ、ムカシトンボなどの水生昆虫も記録され、鹿児島市にありながら大変貴重な環境が残っている里山です。
2013年より、休耕田を借り、無農薬で田んぼを湛水管理し、生物の集まれる環境を作っています。また、2016年、カエル子のYouTubeのチャンネルをスタートしました。火の河原の田んぼでお米作りや、鹿児島に限らず南九州の貴重な環境や伝統文化を動画で紹介しています。鹿児島市環境保全課と、2015年に森の動物を無人カメラで観察するイベント、2016年には火の河原での田んぼの生きもの調査を実施しました。また、2013から2016年にホタル観察会を毎年行うほか、里山の植物を使った、コケ玉づくりやボトルアクアリウムづくりなど、自然を身近に感じることができるイベントも開催しています。実際に生きものに触れて体験できる自然観察会を行い、動画や写真を紹介、また、オリジナル音楽等でライブも実施するなど、見て聞いて楽しめる活動をこれから行っていきたいです。
更新日:2016.11.18 ※記事の内容は投稿当時のものです