つたえよう
かごしま市場の魚図鑑プロジェクト
一般社団法人鹿児島水圏生物博物館(鹿児島県鹿児島市)
鹿児島県内の市場に水揚げされる魚種を調査・研究し、その成果を活かして鹿児島県の魚の多様性を広く一般に伝えるとともに、水産業の活性化につなげることを目標としています。
鹿児島県内の市場に水揚げされる魚種を調査・研究し、その成果を活かして鹿児島県の魚の多様性を広く一般に伝えるとともに、水産業の活性化につなげることを目標とした活動を行っています。市場で確認した魚は、普通種から珍しいものまで、ほぼ全魚種を収集し、標本や写真として保管します。現在、約400種を所蔵しています。収集した種類が多ければ多いほど、鹿児島県の魚の多様性が証明されるので、年間を通した市場調査は欠かせません。
プロジェクトの一環で制作した図鑑『火山を望む麑海 鹿児島湾の魚類』は、これまでの調査で集めた資料と撮影した写真などをまとめたもので、2017年10月に発行されました。鹿児島の市場に水揚げされる魚をほぼ網羅した図鑑となっていますす。
本団体では、より多くの魚種を収集するために、漁業者や市場仲買人との連携も行ってきました。収集した標本は学術研究(論文)で使用されることもあります。漁獲された希少な魚や分布の更新につながる魚種の発見は、プロジェクトの一環として論文に取りまとめ、学会誌などにも掲載しています。これまでに、枕崎市魚類市場で発見した日本未確認のアジのなかまを論文で発表し、和名「サクラアジ」と命名したこともあります。標本は、枕崎お魚センター(枕崎市)内にある、本法人展示室での展示資料としても活用されています。
調査で撮影した写真は展示資料としてはもちろんのこと、魚一覧ポスターや図鑑にも使用します。一般市民の方に、市場の魚を広く知っていただくため、市場の魚一覧ポスターを制作し、多方面に配布しています。
このように、多種多様な鹿児島県の市場の魚を調査・研究し、市場の魚を知っていただくことが、多様性を伝えるだけでなく、魚食普及のきっかけにもなると期待しています。
更新日:2017.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです