つたえよう
タンチョウとの共生を目指したサルルンガードのチャレンジ
タンチョウ コミュニティ(北海道阿寒郡)
鶴居村の子どもグループ「サルルンガード」では、子どもたちが主体となってタンチョウの生息地である湿原の保護活動を行っています。また、地域住民との関わり方を、自然体験を通じて学び、村の魅力を多くの人々に発信する活動を進めています。
タンチョウコミュニティは、北海道東部、釧路湿原の北西部に位置する鶴居村で、タンチョウを主対象として地域の自然と住民とのよりよい関係づくりを目指して結成した市民団体です。2014年に小学3年生から中学生を対象に、鶴居村の自然や生物多様性、地域活動について体験を通じて学び、学んだことを地域住民に発信する子どもグループ「サルルンガード」の活動を開始しました。サルルンはアイヌ語で「湿原」を意味し、「湿原を守る」ことを目指したいと、子どもたちでつけたグループ名です。
活動は「自然を知る」「暮らしを見る」「学んだことを伝える」の3つを柱に、子どもたち自身で内容を考え、準備し、実践し、活動後の振り返りにより次に活かすというPDCAサイクルをとりいれています。「自然を知る」では、タンチョウの観察や生息地調査、営巣地である湿原のウチダザリガニ駆除活動やキタサンショウウオの観察会などを行いました。「暮らしを見る」では、たくさん訪れるタンチョウ見学者へのアンケートや、地元の基幹産業である酪農体験などを行いました。「学んだことを伝える」では、様々な発表会への参加、通信紙の発行、ホームページで発信しました。これらの活動の結果、タンチョウへの理解の深まりとともに郷土への愛着が深まっています。また、活動を支える多くの大人との交流も深まりました。
2017年度には、「サルルンガード」の子どもたちと他の湿地の子どもたちとの交流を深めるために「KODOMOラムサールin鶴居村」を2泊3日で実施しました。まちづくりの視点で学ばせるため、村内外の多くの団体(鶴居村産業振興課、教育委員会、農協、森林組合、商工会、環境省、日本国際湿地保全連合、ラムサールセンターなど)と連携し、実行委員会を立ち上げました。このイベントでは、村のよさを子どもたちが見つける宝探しを実施しました、サルルンガードの子どもたちが日頃の活動の実績を活かして宝探し活動を引っ張り、活躍しました。
更新日:2017.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです