ふれよう
里山保全
川名里山レンジャー隊(神奈川県藤沢市)
藤沢駅から徒歩20分程の距離にある川名緑地。都市中心部にありながら里山が約30ha残っています。その中央にある川名清水谷戸。この自然を自分たちの活動や子どもたちを通し将来に残したいと思い活動しています。
1992年に川名清水谷戸を縦断する計画道路「横浜藤沢線」の延伸工事見直しを提議し、川名清水谷戸を愛する会として発足。一貫して自然観察会や下草刈りなどの里山保全活動を通して谷戸の大切さ、素晴らしさを地域住民・行政にアピールしてきました。1996年からは日本大学の学生が活動に参加するようになりました。1998年からは緑地に近接する藤沢市立新林小学校の先生から子どもたちに自然体験を提供して欲しいと依頼され、総合的授業として年4回3年生全員を谷戸へ案内する「谷戸探検」を始めました。谷戸探検のモットーは「みる・きく・あじわう・かぐ・さわる。からだでかんじる谷戸探検」です。名前を憶えることで自然を知ってしまったと思いがちなことから、敢えて名前は教えず、子どもたち自身が自然を感じてもらう手助けに徹しています。
谷戸は楽しい要素ばかりではありません。しかし、メンバーの大半を占める谷戸で活動している大学生リーダーが一緒に歩くことで、谷戸探検を経験した子どもたちが谷戸という自然環境を「楽しかった場所」と感じ、自然を破壊しない大人になってくれる事が願いです。なお、正規の授業ですので、事故などには万全を期すことは勿論、自然の移り変わりを把握するためにも参加リーダーは必ず下見に参加しています。リーダーはOB/OGを含め毎回30人程度が参加しています。大きな怪我や事故は一度もありません。地元の子どもたち全員が参加し、ハンデのある子も参加する、みんなが地元の自然を体験して大人になっていくことが誇りです。
2000年に「川名清水谷戸を愛する会」の名称を、大学生も主体的に関わり地元と一緒になって川名緑地全体を残していこうと「川名里山レンジャー隊」と変更し、学生が隊長を務めています。ホタル調査、ニホンアカガエル卵塊調査、野鳥センサスも継続して行っています。その時々の記録を元に道路建設時に影響を受ける種を予測し、判断材料となる資料として行政に提出しています。
更新日:2019.12.26 ※記事の内容は投稿当時のものです