conserve
(日本語) 花咲かみつばちプロジェクト
訪花昆虫の代表「みつばち」とともに、農地と自然環境が調和した里山の生物多様性の保全と持続可能な農業生産を目指しています。「ハチ・ヒト・サトを元気に!」を合言葉に調査・保全・商品開発に取り組みました。
農業高校の授業で、訪花昆虫の授粉により私たちの暮らす里山の多くの植物が実をつけることを知り興味を持ちました。調べる中で蜜蜂が効率的な授粉を行うことがわかり、地元の養蜂家の方に話を聞いたところ蜜源の減少や農薬の被害など生息環境が悪化していることを教えていただき、里山の植物にとって必要不可欠な存在、ミツバチを守りたいという思いから活動がスタートしました。
まずは調査! ミツバチが里山の農業と環境に果たす送粉サービスを、科学的に証明するのが狙いです。中部大学と連携し、DNAバーコーディングと植物相調査を利用した解析手法を構築。花粉DNAの配列から候補植物を絞りこみ、開花植物の記録から訪花植物を特定します。調査の結果、恵那の里山における年間を通じた訪花嗜好性を解明し、農作物から野生植物まで幅広く訪花していることがわかりました。この結果から農業と自然が調和した里山の環境を維持していくことが、多くの生物と同様にミツバチにとっても理想であることが言えます。
そこで次は保全! 全国規模で問題となっている耕作放棄地を、行政と地元企業と共同で農地として復活させ、利活用するため、養蜂を核に地域住民と共同で蜜源となる作物の栽培「花咲か里山プロジェクト」に取り組みました。作目はレンゲとエゴマの二毛作栽培。無農薬・無化学肥料で環境に負荷をかけない循環型の農業を実践しました。またエゴマの栽培から加工まで体験できるエコツーリズムを実施し、訪花昆虫の生態と合わせて学ぶことで環境意識の向上を図りました。収穫した蜂蜜やエゴマ、地元農産物を使って食品加工の学習を活かし、商品開発にも取り組みました。この取り組みの目的は、商品の流通と共に訪花昆虫の役割や地域農業の魅力を情報発信し、地元農産物のPRや環境に対する意識の向上を図ること、収穫物の販路を創り、耕作放棄地再生と蜜源増殖のための資金を創出することで地域に根差した持続可能なものにすることです。
更新日:2018.12.27 ※記事の内容は投稿当時のものです