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伊勢湾にやってくるウミガメ

伊勢湾沿岸では60年程前はウミガメの産卵が多かったそうですが、砂浜の減少をはじめ、さまざまな環境変化により現在はウミガメの産卵がかなり減ってしまいました。ウミガメの保護や産卵地である海岸の保全を行なっています。

4月に津市高洲町で大がかりな海岸清掃をします。5月から8月まで毎日浜を歩いてウミガメの上陸跡を探し、見つけたら産卵の有無を調査をします。産卵を確認したら、産卵場所を杭やネットやロープなどで保護します。砂中温度を測るため、データロガーをウミガメの産卵巣の近くに設置します。(卵の孵化には程度な温度が必要なため。)子ガメが砂から脱出するまでの間、さまざまな方法で卵を保護します。(獣害対策、台風襲来時の見回りや卵の移植、台風通過後の現状復帰、光害対策、花火大会開催時の対策など)この地域は、卵を集めて孵化させる孵化場は設置しないので、産卵したそれぞれの場所で保護します。子ガメが砂から脱出する時期が近づいたら、ウミガメロードを作って光害対策をします。(子ガメは明るい方へ寄っていく習性を持っているため、光を遮り子ガメを海まで誘導する通路を作ります。)

子ガメ脱出の約2週間後に孵化率調査を行い、卵の数や孵化卵・未孵化卵の数、未孵化卵の発生の度合い、孵化率などを調べます。孵化率調査後にデータロガーを掘り起こし、産卵場所に設置後の温度変化についてのデータを出します。広報・啓発活動として幼稚園、保育園、小中学校、公民館などでウミガメ出前講座を行う。(今年は現在までに30か所で実施しました)

春には環境学習会(ウミガメに関する講演会)、秋にはウミガメ報告会(当地でのウミガメの上陸、産卵、死亡漂着などを報告する会)を一般市民にも参加募集して行います。ウミガメの漂着死体を発見したら、写真撮影、計測、特徴を観察、解剖などをして記録と可能であれば標本を残します。(標本は骨格標本、胚や未脱出個体の液浸標本や凍結乾燥標本、鱗板の標本など)

漁業者にウミガメを混獲したら、ご連絡いただけるようお願いします。(混獲の調査)浜を散歩あるいは釣りをする高齢者に50年前、60年前の浜の様子を聞いて、昔の浜について調査します。

更新日:2019.12.26  ※記事の内容は投稿当時のものです