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(日本語) 白いおしりを捕まえろ!セイヨウオオマルハナバチで外来種問題を伝える
2005年より外来種セイヨウオオマルハナバチの駆除活動をしています。巣を作る前の女王バチが飛び回る春に、生物多様性保全と外来種問題の重要性を伝えるため、体験の機会を提供しています。
捕獲の仕方や理由を学び、春の庭園を散策して外来種を捕獲します
ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」の(株)アレフは、2005年より、自社が運営する「えこりん村(北海道恵庭市)」で、道民や観光客、社員、行政などと共にセイヨウオオマルハナバチ駆除会や外来種に関するCEPA活動を行っています。
2003年北海道・ニュージーランド生物多様性シンポジウム(来場者2800名)開催時に、東京大学教授(当時)・鷲谷いづみ氏の発表でミニトマト生産と外来種の関わりを知り、自社仕入れ状況や生態系への影響を把握するため、社内学習会や契約生産者への説明、自社農地や恵庭市内の分布確認を行ってきました。それを経て、現在は当施設内の庭園で活動しています。
セイヨウオオマルハナバチは元々トマト等のハウス栽培で、ホルモン剤にかわり受粉を助ける農業資材として輸入されました。花に噛み痕を残し、訪花確認も容易で、薬剤より安心と考えられましたが、ハウスから逃げ出す等が原因で野生化し、冷涼な気候に適応。北海道の生態系への影響が心配されています。
特に移動能力の高い外来昆虫の完全駆除は、一度侵入・定着すると困難です。しかし、圧力をかけ続けることで、在来種の生息域・採餌域の保全に繋がると考え、巣作りで女王バチが飛来する春先に活動を行い、在来種の活動も確認しながら、判別法や駆除法を知らせています。
「交雑」、「競合」、「外来寄生虫など」の外来種問題の他、在来マルハナバチの口(舌)の長さと共生する在来植物、またそこに口の短いセイヨウオオマルハナバチが入ることで起こる問題を、手作りのハンドパペットで実演し、小さな子どもや生きものに興味のなかった参加者にも「生物多様性」「外来種」について、分かり易く説明しています。また、作成した生物多様性早わかり読本(冊子)でも事例を活用し、総合学習や教育旅行でも伝えています。
セイヨウオオマルハナバチは身近にいて通常は攻撃性が低く、白い腹部末端により判別が容易です。密集した毛ところんとした親しみやすい形、「ハチを捕る」ことへの驚きで興味を引きつけ、人間の責任を考える機会としています。