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「里山物語」で「国連生物多様性の10年」に取り組み続ける10年間

独自製品「里山物語」は「日本の森」と、「里山と生物多様性」を守る、二つの大きな仕組みを作りだした印刷用紙です。「国連生物多様性の10年」に向け、2009年から本業の紙づくりで持続的な取り組みを行なってきました。

中越パルプ工業では、2010年に名古屋で開催されたCOP10に先立ち、2009年には、環境に対応した独自製品「里山物語」や国産竹100%「竹紙」を開発。環境イベント出展、講演活動他、様々な場面で、生物多様性保全の重要性を伝え、行動してきました。今では、一社単独ではなく、環境省や国際自然保護連合日本委員会、同じ志の担当者がいる異業種企業、有識者団体とともに、生物多様性保全のために自分たちでできる活動を続けています。2014年3月には、国連生物多様性の10年日本委員会の連携事業にも認定されました。

世界に発信される日本の「里山」に関しては、「国連生物多様性の10年」における愛知目標が採択され、生物多様性の損失に歯止めをかけるために、2020年までに実行的な緊急行動を起こす戦略計画ミッションが定められています。しかしながら、最終年に差し迫っても、「生物多様性」という言葉自体、浸透が浅いのが国内の現実です。

当社でも最初は、誰もが使う「紙」だからこそ、社会で多く活用されることを見込み、紙を指定するだけで、誰でも容易に環境や社会に貢献できる画期的な仕組みの印刷用紙「里山物語」を作り出しました。しかし一般にどこのメーカーの紙も品質に大差なく、価格でしか差別化ができない製品です。当社でも大量の原紙を製造しながら、紙需要が減少する市場で、高品質での安定供給はもちろんの事、そのうえで安価な製品が求められる中、一般の流通市場では理解されにくいです。

NPOと協業し、里山で活動する団体を応援することで、持続的に日本の森林や里山、生物多様性保全に貢献する「里山物語」。当社が本業の中で取り組んでいる社会課題の解決には、共通の目標として、この活動を推奨してくれる方々がいないと成り立ちません。厳しい環境の中、取り組みを理解し、共感だけでなく、一緒になって行動してくれる方々と共に、新しい里山の事例を増やしていくこと。それが、愛知目標の最終年までにできる、数少ない具体的かつ現実的な手段と考えています。

更新日:2019.12.26  ※記事の内容は投稿当時のものです